銭形平次捕物控 巻十四

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銭形平次捕物控 巻十四


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内容説明

「八、なんか良い事があるのかい、たいそう嬉しそうじゃないか」「ヘッ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寝起きがいいだけで――」ガラッ八の八五郎は、そう言いながらも湧き上がってくる満悦《まんえつ》を噛み殺すように、ニヤリニヤリと長んがい顎《あご》を撫で廻すのでした。「叔母さんからまとまったお小遣いでももらった夢をみたんだろう」「そんなケチなんじゃありませんよ、はばかりながら濡れ事の方で、ヘッ、ヘッ」「朝っぱらから惚気《のろけ》の売り込みかい、道理で近頃は姿を見せないと思ったよ」…この巻には「雪の夜」「雛の別れ」「娘の役目」「子守唄」「権三は泣く」の5編を収録。