内容説明
祖父から譲り受けた霊を視る力。原稿執筆中に受信した不可解な電話。ガソリンスタンドのバイトが見た赤い肉の塊。怪異に誘われ、異界に招かれる著者が、因果に導かれるままに書きあげた忌まわしい百の体験談。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
47
実話怪談集。読み始めの部分はテンプレートな心霊譚ばかりで、いよいよネタが尽きてきたか。と一頻り心配させられたが、今回は中盤からの畳み掛けが凄い。ページ数とあいまって何か目の前にドンとでっかいステーキを置かれた印象を受ける。ただ他の人も書いてるけど、今回は多少いい話が占める部分が多くなった代わりに、陰惨な話が少なくなってきているような気がする。そっちの方を好む人も多いのだろうけど、個人的にはやはり少し物足りない気分だった。しかしクオリティの高さは折り紙付きなので、このシリーズ続けて行って欲しいものです。2014/09/05
田中
31
実話怪談が百編収められている。十六話は切なく悲しい話。その日は急死した母親が保育園の門前に立っていた。亡くなった後でも帰りの我が子を迎えにくるのだ。でもその姿を目にするのは一部の園児たちのみで、大人には見えない。二十七話は、自分の妻と娘が同時に三組出現する。錯覚とは言いきれない気持ち悪さを感じた。七十五話は焼き増した写真なのに映り方がそれぞれ違うのだ。そんな奇怪な写真を見てみたいと思った。八十七話は椀が突然に割れる。祝い事が実は凶事だと暗示する不思議な力が働いたようだ。【日本の夏はやっぱり怪談】 2023/07/20
ネムコ
29
一冊に百話の怪談。短さや物足りなさを感じさせないところは流石です! 一度は足を洗った実話怪談の世界に、ふたたび引き戻してくれた黒木あるじさん。しっかり責任を取って頂いてます。楽し~いv2017/11/17
ラルル
25
安定のあるじさん(毎回言ってる気がする)。このシリーズは他の怪談本に比べて少し分厚いのが又嬉しいのです、たっぷり読める。「それでいいの」は短くて綺麗に終わっていてますね、母の愛。他の話も怪談好きにはウハウハのものばかりでした2014/08/25
ミロリ
22
こんな奇妙で不可解な出来事なんかある?良い意味での疑問を抱きながら百話楽しめました。外国人から見る日本の幽霊、髪を操る家系が印象的。自分の死後が視えるというのもなかなかでした。もう本が手元にないのでうろ覚えですが、相手がいないのに話し続けている人、妻が鳥に見える人が数分間バサバサしている人が面白かったです。2015/01/04