内容説明
武家出身で、いまは読売屋《末成り屋》の主となった天一郎を、越後から出てきた竹川肇という老人が訪ねてきた。亡くなった天一郎の父親の古い友人だという。老人の話から「父の残像」と葛藤する天一郎。父の死の真相がわかってきたとき、天一郎の前に過去から「悪」が蘇る! 正義の筆と華麗なる剣で世の不正に敢然と立ち向かう、痛快シリーズの待ち焦がれた第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
91
読売屋 天一郎「倅の了見」3巻。今回は水月天一郎、錦修斎、鍬形三流個々に関連する物語。末成り屋の読売としては毎回握りつぶされているような感じがするけど(見えぬ目で見て、聞こえぬ耳で聞き、語れぬ口で語るため)の信条だから良いのかな。美鶴さんだんだん出しゃばってくるね、天一郎さんと良いコンビだ次巻も期待。2014/10/09
ぶんぶん
8
【図書館】錦修斎の甥の道助が苛めが原因で亡くなった。 原因究明に奔走する修斎、そこには御家の事情が絡んで…時を同じくして、天一郎の父親の古い友人が越後から天一郎を訪ねて来た。 父親の死の真相が判る時、過去の悪が蘇る。 読売屋・天一郎シリーズ、第三弾! 世に隠れた悪を天一郎の正義の筆と華麗な剣で暴き出す、痛快な筆致が胸を打つ。2015/05/17
陽ちゃん
4
修斎、三流のそれぞれの家族との関係がかなりシビアで自分のことしか考えていない親や兄たちから距離をおくのもうなずけます。そして、天一郎の父閑蔵の最期が明らかになりますが、男気があるのはいいですが、もうちょっと妻子のことを考えて無謀なことはやめて欲しかったな。2018/09/17
kazukitti
4
章立てしてるんなら二つのエピソード別々にして2本の短編にした方がよかったんじゃないかなー。話にそんな関連ないし。一本は天一郎の父の死の真相とそれに絡む父の旧友の話、もう1本は武士の皮をかぶったごみ野郎の胸糞DQN話で、それが同時進行してる感じ。正直どっちもあまり胸のすく話じゃなかった。父の死の真相とか結局天一郎には今更感がアリアリで、屑は屑のままで、魔の差した旧友も悔恨と懺悔の中で散ったワケで、じゃあ修斎の甥を死に追い込んだ旗本DQN倅はどーだつったら、DQN返しもしきれずに手打ちにしましただったしね。2015/08/23
烏骨鶏
2
読売屋天一郎シリーズです。 物心つく前に亡くなり、天一郎の人生を変えるきっかけとなった父。その父の旧友が訪れる。 一方朋輩のいじめによる倅の死に、普段控えめな修斉の兄嫁は子の仇を注ぎたいと血涙を絞る。 斬撃シーンが圧巻でした。 倅には倅を、が吃驚でしたが、どうなんだろう、そいつゃあ。。先方のお母様も血涙を絞るであろうに。。いやしかし、自業自得ではあるのだが。私もやわではあります。2021/05/29