内容説明
たぐい稀な美女ドミニカはバレリーナを志すが、足を骨折して夢を絶たれた。父が急死すると、彼女はSVR(ロシア対外情報庁)の高官である伯父ワーニャによって、その美貌を利用した企みに加担させられる。その後ドミニカはSVRに入り、標的を誘惑するハニートラップ要員となった。やがて彼女は、命を受けCIA局員のネイトに接近する――ロシア国内に潜み、彼に機密情報を流し続けるCIAのスパイを探り出すために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
160
ハニートラップエージェント養成所で最高のテクニックを身に着けた主人公が、CIAの工作員に迫る。東西のスパイ組織の内幕も書かれるが、組織はそれぞれ出世しか眼中にない嫌なボスがいて、それぞれ一枚岩とは程遠い。ロシアの殺し屋も不気味な存在感を醸し出している。どの章も料理が登場し、各章の末尾にレシピが掲載されている。映画を先に観てしまって話は知っているのだが。本作は小説の方が良いようだ。『007/ロシアより愛をこめて』はこういう話であってほしかった。2022/09/06
はるを
57
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎☆。ハニートラップスパイアクション。(アクション要素は薄め)映画鑑賞後にストーリーに惚れ込み読了。初めて本格的なスパイ小説を読んだがとても読みやすくストーリーも掴みやすかった。アメリカの男スパイとロシアの女スパイを中心人物に据えた時に一般的にはアメリカ男スパイを主人公にするのがセオリーだが、この作品は逆なのが良い。上巻はある事がきっかけでドミニカがいよいよ二重スパイの道を歩きだすまでが描かれているのだが、そこまでの描き方も凄く丁寧で緻密に描かれていると思う。さすが原作者は元諜報員。2018/07/17
うたかたの日々
22
スパイってこんな風に養成しているのか、ハニートラップの養生まで面白い。後半へ2021/08/28
わたなべよしお
22
なんやら映画化されたとの由。ということで再読してますが、やっぱりなかなか面白い。確かになぁ、B級といえばそうだろうけど、今回も十分楽しんでいます。2018/04/26
スー
19
予想外、CIAとSVRのバチバチのスパイものだと思ってました。CIAのネイトは大物情報提供者と接触している事を察知したSVRは裏切者を探るためにSVRの美人諜報員ドミニカを送りこみネイトを罠に嵌めようとする。派手なドンパチは無い代わりにお互いを味方に引き込もうとする駆け引きと日頃の監視や尾行者の有無の確認は地味ですが、その分リアルで緊張感に溢れていました。二人が接触してからは面白くページをめくるスピードがアップしましたがその前のドミニカの物語はロシアらしい陰鬱さで読むのが辛くてなかなか進みませんでした。2018/06/03