内容説明
まだ見ぬ人知を超えた存在と巡り合うため、二千年の歳月を生きる謎の男サイモン・アークのはてしない旅は続く。鐘の音が鳴り響くアメリカ東部の修道院で起きた中国人修道士殺害事件、ニューヨーク州北部の湖に出現し四人もの人を殺めた大海蛇の怪異、かの切り裂きジャックが遺したという秘宝のありかとその正体、ロビン・フッドゆかりの地に造られた迷路で発見された、二十本もの矢が刺さった他殺体の謎……さまざまな形でこの世のむこう側を垣間見させる8つの妖しい事件から、鋭敏な推理力で真実を導き出すオカルト探偵の事件簿、待望の第4集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
34
オカルト探偵第四弾。とはいえここでのオカルトは相変わらずカーや横溝、三津田信三のようなおどろおどろしいものではなく、あくまで事件の骨格を彩るライトなもの。物足りないと思うか、丁度いいと思うかはあくまで読者しだいですね。今回も悪魔の足跡やドラゴンによる船の破壊、切り裂きジャックの秘密等、好みの題材が多くその点では存分に満足。もう少しこっちに重点を置いてくれていたらなあ。個人的には「悪魔のやってくる時間」「切り裂きジャックの秘宝」が、作中の事件とオカルトが上手く絡み合っていて面白く読めた。2013/01/10
ホームズ
22
サム・ホーソーンや怪盗ニックとはかなり雰囲気が違うけどこちらの感じも好きだな~。相変わらず2000歳という設定はあまり関係ないけどオカルトな感じが良いな(笑)ミステリとしての要素はかなり微妙だしちょっと笑ってしまうような話もあるけど(笑)2013/03/01
mel
12
Ⅳだけ読んでいなかったので海外出張のお供として読了。細切れ時間で愉悦をあたえてくれるバッハの無伴奏なみのポータビリティーはさすが。ただ、二千年の間「悪」と戦い続ける男という魅力的な設定をつくりながら、作風は時代と雑誌の要請で、定型感無きまま右に左にぶれ、作品間には名探偵コナンと黒の組織ほどの縦糸も通っていないのが無念。ホック自身、短編集として読まれる可能性をどれほど考慮していたか不明だが、ファンとしては、最後にこの世を支配する最大の悪とアーク(同音異字!)が対峙するクライマックスを夢見たりするわけだよ。 2015/10/31
KAZOO
12
このシリーズは怪奇探偵小説の部類かと思って読み始めていたのですが、そのような分野ではないと気づきましたがやめられずに4巻目まで来てしまいました。2000年以上も生きているサイモン・アークということですが人間の心奥に潜む悪魔的なものを抉り出して犯罪を解決するということなので、悪魔退治の名探偵ということなのでしょう。まだまだ訳されていない短篇が多く残っているということなので今後も続くのでしょう。2013/02/27
たち
11
今回は“わたし”の個人的に関係のある事件があったり、サイモンがひとりで解決する事件があったりとなかなか興味深い話が多かった。2015/09/21