小学館文庫 逆説の日本史 別巻３ ニッポン[三大]紀行

著者名：井沢元彦【著】

小学館（2016/04発売）

• ISBN：9784094087703

内容説明

日本人はなぜ「三」という霊数が好きなのか。ベストセラー歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』別巻シリーズ第3弾！

日本人ほど「三大――」が好きな民族は珍しい。古代から「三」という数字は、一種の調和を表わす「霊数」であるとされてきた。
たとえば平安時代の書物には、三大建築は「雲太、和二、京三」と記されている。それぞれ出雲太郎、大和二郎、京三郎の意味で、出雲大社、東大寺大仏殿、京都御所を指しているが、実はこの順番は、聖徳太子が制定した憲法十七条の条文にも通底している。これらが示唆する日本人の根本原理とは……！？

ベストセラー歴史ノンフィクションの金字塔『逆説の日本史』別巻シリーズ第3弾「ニッポン[三大]紀行」では、「日本三景」「日本三名山」から「日本三名瀑」「日本三名城」「日本三大霊場」まで、調和を表わす霊数「三」にちなんだ全国津々浦々の聖地を逆説史観で読み解きます。

松尾芭蕉が松島で使った「禁じ手」、かぐや姫が焼いた「不老不死の薬」と富士山の由来、日本城郭史上画期的な秀吉の大坂城、世界最古の木造建築・法隆寺の秘密、佐渡に流された「三大流罪人」、宇佐神宮に祀られる比売大神の正体、……これまでにない新たなアプローチでニッポンの原風景を味わい直す逆説ファン必読の書。

目次

第１章　自然・景観編（日本三景―松島・天橋立・厳島　日本三名山―富士山・白山・立山　日本三大松原―三保の松原・虹の松原・気比の松原　ほか）
第２章　観光・旧跡編（日本三古湯―有馬温泉・道後温泉・白浜温泉　日本三古碑―多賀城碑・那須国造碑・多胡碑　日本三津―坊津・那津・安濃津　ほか）
第３章　社寺・祭編（日本三大霊場―恐山・比叡山・高野山　日本三大八幡宮―宇佐神宮・石清水八幡宮・筥崎宮（別説）鶴岡八幡宮
日本三大曳山祭―祇園祭・高山祭・秩父夜祭　ほか）
終章　日本三大考―「三」という霊数を好む日本人の根本原理
付録　ニッポン「三大」紀行マップ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[KAZOO]

逆説の日本史別巻の3冊目は、日本全国の三大紀行、ということでありとあらゆる三大ものを並べられています。三大ということは順番をつけなくていいようです。このようなものにも三大というものがあるということがわかります。津、古碑、名橋などです。まあ楽しめます。おまけに三大珍味までが掲載されていました。

2016/06/01

[gonta19]

2012/11/6 Amazonより届く。 2018/1/5〜1/14 逆説の日本史 別巻も3号目、ということで3の特集というわけでは無いだろうが、日本三大〜〜についていろいろ語っている。確かに2は対立構造に陥りやすく、3であれば均衡の取れた如何にも日本人好みの構造になるな。荒俣宏さんの解説も良い。

2018/01/14

[ソラ]

逆説の日本史シリーズのサイドストーリー的な本。日本でよく聴く３大〇〇に焦点を当ててている。雑学的にまとまっていて面白いけれども、やはり本編のほうが深く掘り下げられた考察があるので、ちょっと物足りない感じでした

2012/11/18

[二分五厘]

日本三景・三大珍味・三名城・三大祭等、日本人がよく知っている三大〇〇を並べ、解説した本。それぞれの三大の解説もさることながら、やはりなぜ三つなのかが気になる。あるテーマがあって、一番有名なものが一つ。そしてそれに対抗するもので二つ。更に二つでは対立してしまい、安定しないのであと一つ。確かに三大と言われても、うち一つは今一つマイナーな印象のものが多いような気がする。唯一無二ではなく、同等のものがたくさんある構図、それが日本人の一番安らぐ安定した状態なんだろうか。

2014/10/17

[きっちゃん]

実に面白かった。「日本三大○○」　なぜ日本人は三に拘るのかを、自然・景観・建築物・仏像といった計、２２もの例を挙げて説明をしてくれている。 根本には民族性・宗教が深いとの事。神も日本では八百万であり、日本の神の親（イザナギ・イザナミ）から生まれてくる神も三柱であり神話に出てくる八咫烏も３本足、そして天皇家の象徴も３種の神器だ。「三」は調和の基本数と位置付けられているとの筆者の考察には納得させられた。「日本全国三大巡り」をしてみたくなった。

2013/01/13