内容説明
昭和9年、浅草。神隠しの因縁まつわる「触れずの銀杏」の下で発見された男の死体。だがその直後、死体が消えてしまう。神隠しか、それとも……? 一方、取材で吉原を訪れた新聞記者の柏木は、自衛組織の頭を務める盲目の青年・朱雀十五と出会う。女と見紛う美貌のエリートだが慇懃無礼な毒舌家の朱雀に振り回される柏木。だが朱雀はやがて、事件に隠された奇怪な真相を鮮やかに解き明かしていく。朱雀十五シリーズ、ついに開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
45
1522-218-49 ☆メイ探偵祭№5☆ 朱雀十五シリーズ第一弾。朱雀十五シリーズだがストーリーテラーは記者の柏木。時代設定こそ第二次大戦前だが立川真言流とか世界観に京極堂シリーズに似通っている。今のところ朱雀の盲目の設定にあまり意味が見いだせないのが残念。2016/06/26
和夜
38
バチカンシリーズから。舞台が日本だからこっちの方が馴染みがあるかなー、と思ったけどそんなことは無かった(笑)相変わらず1回読んだだけではイメージが出来ず何回も繰り返し読みました。本当にこの先生の作品は読み込み甲斐がある。途中ミステリーじゃなくてホラーなんじゃないかと思いましたが、ミステリーでした。一応。次巻も語り部は柏木君なのかな?今回不憫だったから次出てきたら良い扱いして欲しい…。2016/10/16
ダージリン
29
主人公の柏木君と一緒に最後まで翻弄されて終わりました(笑)。でも、このおどろおどろした雰囲気がいい感じだったので良しとします!朱雀さんもなかなか謎が多くて素敵でしたね~。2012/11/16
あいちょ。
20
初の藤木作品。 この手の話は好きなんで読み易かった。 朱雀サンよりは出口サンの方がキャラ的には好みだな。 二作目も読みたいと思う。2013/02/11
カナン
15
「ミニ京極」と最初に表した人に「正しくその通り」と言いたい。時代設定や吉原が舞台の中心というのはとても妖しく退廃的で、更にオカルトが混じるとなればそれは非常に魅力的なのだが、盲目の美青年朱雀だけがハイスペック過ぎて、おどろおどろしい幕開けが嘘のように終盤は朱雀の「ずっと俺のターン」状態。百鬼夜行の中禅寺達が真相や真実を掘り下げて暴きながら、人の心の深淵を覗き見て苦悩し続けているのに対して、こちらは事件の解決が最優先。結果的に都合の良さと、これは個人の好みだろうが「女が書いた文章だ」というのを強く感じた。2013/01/10