内容説明
南北の動乱が終息し、呉用は江南から救出された。金国では阿骨打が亡き後に呉乞買が即位し、国の体制を整えつつある。梁山泊は、制圧した地域を守りながら、来るべき宋禁軍との全面対決に向けて戦力を蓄えていた。候真は、黒騎兵を抜けて新たな任務に就く。一方、扈三娘は息子たちが消えたという報せを受けて洞宮山へ駆けつけるが、聞煥章の劣情渦巻く奸計に陥ってしまう。楊令伝、風雲の第六巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
279
大きな戦の後のお約束となっている、梁山泊内の人間模様描写。今回は、世代交代を強く感じさせる一幕が多い。候真が代表的な例で、登場時には、まさか、到死軍になるとは予想出来なかった。それ以外の大きなところでは、扈三娘のピンクパートが大部分。あまりに、オッサンの願望を満たすだけで現実味のない、フランス書房展開にしらけた。しかし、聞煥章がこのような最期を迎えるとは、なかなかの衝撃。ついに本性を出した、扈成の不気味さも、期待を高める。そして、ラストの童貫/王進の語らいから、楊令みずから呉用を迎えにいく流れは、最高。2022/01/19
しんごろ
185
嵐の前の静けさ、そこで漢達は充電して力を蓄える…そんな章でしたね。楊令、童貫、呉用…。それぞれの想いを形にして力を蓄える。本音あり。意外な行動。ひっそり時を過ごす。とにかく力を蓄える。その間に世代交代の波が梁山泊が、押し寄せてきた。そして青蓮寺もその形の在り方も…。その一方で、この物語に登場してくる女性達に、女は怖いわ~と思いましたね。2018/08/23
アルピニア
66
燕京の戦いと方臘の乱を平定し、傷を癒す宋軍。天から梁山泊に与えられた時間が残り少なくなっていく。心の鎧を脱ぎ捨てつつある楊令。生まれ変わった致死軍。崩壊する青蓮寺。妓館の奥で動き始めた李富と李師師。扈三娘は、囚われている間に自分の心の底を覗き込み、何かを喪失したような気がする。いったい扈成とは何者なのか。そしてなんと童貫が子午山を訪れる。秦容が童貫に挑む様子に瞳がうるんだ。子午山は、全ての人にとって真理、原点に触れる場所なのだろう。嵐の前の不気味な静けさの中、さまざまな蠢きが描かれた巻だった。2020/09/03
財布にジャック
63
この巻では、扈三娘が陥れられて辛い展開になってしまいました。母親として、そして女として、揺れ動く扈三娘がそこにはいました。しかしこの事件を踏み台にして、また一つ大きく成長した扈三娘のこれからを、同じ女として応援してあげたいです。そして、この巻では、童貫のとった行動が意外で、人間らしい弱気な一面が垣間見られます。童貫は敵ながら、本当に魅力的な人物なので、楊令伝なのを忘れて、童貫伝と勘違いしてしまいそうな自分が怖いです。2011/11/25
オカメルナ
59
方臘の乱が終息し、いよいよ新制:梁山泊vs禁軍:童貫戦に突入する気配。嵐の前の静けさといった感じだ。『水滸伝』の生き残り組の高齢化(といっても中年くらいなんだけれどな)と第二世代の台頭。良い意味での世代交代が始まりつつある。何となく寂しい。なんだかんだ言って、公孫勝のこと好きになってたのよね~ でも彼の事だから、致死軍を離れても暗躍の場をしっかりと確保していると思うので今後に期待。今巻でのメインは王進と童貫の対面だったのではなかと思うほど、心にグッとくる場面だった。2012/09/09
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