内容説明
梁山泊陥落から三年。「替天行道」の旗を胸に秘めた同志たちは全土に散って、再起の秋を待っていた。史進、呼延灼、張清は叛徒として局地戦を続け、李俊は太湖の周りに船団を組織して威をはっていた。燕青率いる闇塩の道、戴宗率いる通信の網はいまだ健在。加えて、呉用は梁山泊の底から、軍資金となる銀塊をひきあげさせた。いっぽう、官の闇の組織、青蓮寺の梁山泊の残党狩りは熾烈を極めた。しかし、ついに、元梁山泊勢の希望の星、青面獣・楊志の遺児、楊令が、帰還した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
283
水滸伝読了からそのまま突入。一巻を読み終えた印象としては、タイトルは『楊令伝』でも、楊令の想いや葛藤が描かれる場面はそれほどなく、梁山泊の第二世代などの、周辺キャラで盛り上げていきそう。楊令がすでに神格化しかかっており、掘り下げる余地がないのだ。水滸後半の青さと若々しさを、もう少し残して描いて欲しかった。物語としては、理想的な続編。魅力的なニューカマーが表れ、金国の台頭により、戦線がマルチタスク化して複雑かつ広範囲に。水滸でいう祝家荘戦や呼延灼戦のような、ハイライトとなる戦を創り出せるかが鍵となるか。2022/01/02
しんごろ
188
梁山泊陥落から3年、各地に散った豪傑達がいよいよ集結!ワクワクしますね!今作は李俊の弟分達、梁山泊の豪傑達の息子達も登場しますが、まだほんの序章にすぎないし、間違いなく熱くなる漢達の闘いの土台作りな感じ。未知の水滸伝の魅入れられるのはこれから。北方水滸伝のオリジナルキャラが早く暴れ回ってほしいと思いますね。これからの壮大な物語が待ち遠しいです。2018/02/14
扉のこちら側
97
初読。2014年9冊め。水滸伝読了から間が空いてしまい、ようやく読めた。肝心の楊令がなかなか出てこなくて期待が高まる中で、深い深い重さを持った大人の男として出てきてくれた。続巻が楽しみ。2014/01/11
Kircheis
84
★★★★★ 水滸伝の続編。主人公の楊令はすぐには登場しない。 代わりに候健の息子候真や、花栄の息子花飛麟など前作で死んだ好漢たちの子供等が物語を熱くさせてくれそうな予感。 まだまだ序盤だが既に名作の香りがする。2018/04/01
財布にジャック
78
祝・文庫化~♪こんなに発売を待ち望んだ文庫は珍しいです。あの感動の楊家将・血涙・水滸伝を全て文庫で読み終わってしまってから、ひたすら待ってました。物語の中でも、梁山泊の懐かしい面々が、楊令を探し求めて待ち続けたように、私も楊令に会える日を楽しみにしていました。オマケに私の大好きな武松も登場してくれて嬉しかったです。それにしても、楊令の登場まで、ひっぱることひっぱること・・・そして最後の「あなた方と、話をしなければならない時機が、いま来てしまったのですね」で一気に胸が熱くなりました。2011/07/08