内容説明
あの魔書を追って、戦いの舞台は長崎へと遷り、新たな鬼神が姿を現す。白澤の使役者、白石優は、今も失われた研究室の仲間を思い、悲しみを抱えたままでいた。姿を消したままの夏海涼子のことも――。鬼神を操る魔書を巡る有鬼派との戦いは、刑部(おさかべ)を離れ、真夏の長崎へ舞台を移す。白石がたどりついたのは、西の果ての阿留賀島。夏海涼子の故郷でもあった。妖怪伝奇小説“長崎編”。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しおつう
17
今回は舟幽霊を中心とする、海、水の怪異との戦い。相変わらず登場人物が多く、しかも2派に別れているため、誰がどっちの味方かわかりづらいこともあるが、これは自分の記憶力の無さを嘆くしかない。妖怪好きの人には垂涎のこのシリーズだが、せっかく現れた妖怪の出番が短いのも珠に傷。要は、ポケモンのように使役者がいる妖怪は出番が多いが、それ以外は1発物で終わってしまうというのが特徴。2019/04/27
じゅんぢ
17
われらが白石君、覚醒するの巻。もっと早くに覚醒してほしかった。あと、シリーズのなかで今のところ一番好き。2017/10/31
つばめ
13
蠱猫シリーズ6作目。今回は白石くん視点で物語が展開します。今までだと白石くんは、サポート役だったりさりげなく助けてくれるクールな面もあった印象でした。けれど今作を読むと、彼の弱さ、不甲斐なさ、卑怯さ、底力など、読んでる側は苛つきつつも新しい一面を垣間見ることができた内容。 そしてタイトルの妄者船。シリーズ史上最もおぞましく、吐き気を催すような代物。ただ、形成における構想の展開はとても興味深いと思います。 本シリーズの大元の美袋玄山に関しても、徐々に紐解かれていくようで、次作も楽しみ。2018/04/14
眠る山猫屋
7
白石君…気づかないふりも、いい加減にしなさい。 鬼神“白澤”の宿主・白石君は、失われたかつての仲間の最後のひとりを救うため、裏切りに裏切りを重ねてしまう〜。 淡くて鈍くて今時とは思えないラブコメ要素も楽しい今回は、白石君の悔恨と成長の物語。七分目まではイラつくこと必至。後半のスペクタクルと、白石君の“とうとう助けられたよ!”という魂の叫びはなかなかのカタルシス w2011/05/23
ako
5
白石の鈍感さにイライラしました。やることなすこと悪い方向へ行くのは笑える程。でも私はシリーズの中では今作が一番好きかも。白澤の新たな能力が目覚め、小夜子の気持ちがわかる場面がたくさんあり、夏海を救えたし、白澤連のこともわかって、楽しくなってきました。2012/07/03
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