内容説明
妖気に蝕まれ、廃墟の如き“館”。 小夜子たちを異界が待つ――古書店、文車堂(ふぐるまどう)で、龍造寺は小夜子、白石たちには詰問され、“有鬼派”大生部には襲撃される。魔書“本草霊恠図譜(ほんぞうれいかいずふ)”が奪われたというのだ。行方を追って一同は、知る人ぞ知る曰くつきの品を引き取り封じる呪物館を訪れる。そこには数々の不可解な事件が待ち受けていた。妖怪伝奇小説、佳境へ。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しおつう
23
髪の伸びる人形、涙を流す人形は単なる人形の病気であると片付けられ、浮遊する岩、血を流す岩など、どれを取っても単体でホラー!ミステリー番組を独占出来そうな代物がわんさかと詰まった呪物館。実在するなら数十万円の入館料でも高くはないと思われる館を巡って物語は展開される。とは言っても、このシリーズに浸っている読者にとってはさほどのことはないのだろうが…。今回も見越し入道などの人気妖怪がルーキーとして登場したりとオカルトジャンキーにはワクワクの一冊。ただ、ストーリー展開にはそろそろ何らかの進展が欲しいと思い始める。2019/02/28
じゅんぢ
16
だんだんパターンが決まってきて、読んでて少し飽きてしまう。そろそろ新しい核となる話が読みたい。2017/10/30
つばめ
11
前巻から間が空いてしまったがやっと続きを読むことができた。ぼんやりとしか覚えてなかったストーリーも、丁寧に掘り下げつつ、新しい展開が繰り広げられていくので置いてけぼり感がなくて面白かった。 様々な歴史的背景や人物、伝承も織り交ぜつつ、多様な登場人物の配置や行動を散りばめていく作者の才に感嘆する。 妖戦闘モノでわくわくしたかったらこれが一番いいかなって思うくらい。今回は龍造寺視点なので、彼の心理描写が少しクドく感じたのがう〜ん…。 魔書が今後もどう彼らを振り回していくのか楽しみ。2018/01/26
眠る山猫屋
8
呪物を封じる博物館、龍造寺の過去の片鱗。やっぱり主人公は龍造寺?そして今回も活躍するのは不二子ちゃんならぬ苑子ちゃん。そして古書店の看板娘。一巻から事件の中心にあった魔書を巡る争奪戦は、京の奥深くに隠された博物館を破壊し尽くす。しかし主人公はいったい誰なのさ…2011/04/28
サラン
4
バァーと進んだ感じ。でも雑な感じがなくて、おもしろかった。2011/10/17