内容説明
誰もがその名は知っている本居宣長の大著『古事記伝』。しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていいだろう。つまみ食い的に読んで彼の思想を語る前に、まず、細部まで精緻に読み抜こうではないか。とはいえ、宣長の注解は多岐・厖大にわたり、簡単に読み切れるものではない。本書は、現代の代表的『古事記』研究者が、その責任において、徹底的に、かつわかりやすく『古事記伝』全44巻を読み解いていく画期的なシリーズである。そこに浮かび上がってくる宣長の無類のおもしろさ、そして思想の核心とは──。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
廃
4
著者の記述は丁寧で古事記伝」の細部のこだわりにつて良くわかる。古事記伝は、強引な論のところもあるが、論理的に漏れのない一貫性を追及しようとした書物で、「すみずみまであいまいにしないで自分の立場で説明することは徹底している(p42)」ことは見習うべき態度であろう。 日本神話に関心があるなら読む価値は高い。 http://blogs.yahoo.co.jp/tong_poo_h/10733540.html
はちめ
3
何とか読み終える。思ったよりも読みやすい。あくまでも古事記の解説ではなく、古事記伝の解説。恐らく小林秀雄とかも古事記伝自体は総論のところしか読んでいなかったのだと思う。さてこのあとどうしようか。総論の中心である直毘玉の含まれる第4巻だけにしようか悩むところだ。2017/07/12
よの字
3
神野志氏のこれまでの本に比べ、特に新しい発見があるわけではないが、氏の『古事記伝』の読みには頷くことしきり。二巻が出るまでに『伝』を読み返しておこう。2010/07/16
Kazuo
2
これは古事記解説書の解説書である。かように古事記を読むのは難しい。どうよむ(訓)のかが、どうよむ(読)のかに繋がる。とても勉強になりました。著者に感謝します。これだけ苦労して書かれた古事記だが、なぜ独自の仮名文字を新規開発しようとは思わなかったのだろうか。その方が後世に伝わりやすいのではないのか。ことばの持つ霊力のようなものという概念や伝統と関係あるのだろうか。謎だ。2018/02/09
山河童
2
まぁまぁ読みやすいかな。でも難しいというか、理解しづらいなとか、思う点もある。読みすすめることはできる“((。。*)2015/05/14