トリストラム・シャンディ 〈中〉

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トリストラム・シャンディ 〈中〉

  • ISBN:9784003221228

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

112
くどいよ、くどい。その話はそこまでウダウダいきますかというのが多い。漱石が楽しんだのがよくわかる感じがする。トリストラムというか、その周辺の話だな、これは。これより2世紀前のガルガンチュアやパンタグリュエルだって従者の話の方がメインだろうかという時も多かった。オリバーツイストだって、終盤はオリバーはかすんでいた気もするし。ピンチョンもあちこち話が飛ぶが、かしこい人は話しているうちに、ああ、そう、これもこれも!となるもんなあ。それと思うことは、叔父というのは男性には描きやすい題材であるということ。2016/04/30

のっち♬

78
大きさが一家繁栄の象徴であるという鼻を出産時につぶされたトリストラムの成長はそっちのけに、父親は完璧な教育方針を熟考する。「無数の奇癖を持つ」彼の前では、息子に半ズボンを履かせるか、ポケットをつけるかも一大事なようである。後半では屋敷のボーリング用芝生で包囲戦ごっこに明け暮れるドウビー叔父とトリム伍長の様子が語られるが、本人たちが大真面目になるほど雰囲気は滑稽なものになっている。巻末では読者に想像してみろと白紙ページを用意したり、これまでの話の進み具合を曲線でおさらいしてみたりと、奇想天外さも容赦ない。2020/12/18

中玉ケビン砂糖

67
、ラブレーとシェイクスピアの引用がてんこもり、比較的苦痛なく読めたが、作業的に読んでいるといつ奴が生まれていつの間に成長したんだと前巻プレイバックしたくなるほど頭が混濁、英国流のペーソスとかがあらゆる所に散りばめられているとはいえ、そろそろ何かが起きてくれと思う今日この頃、でも英国特有のユーモア・エスプリというか独特の脱線迂回というか毒舌みたいなものが最近の書物ではもうないので、もしかしたら自分の中で古典回帰のリズムが根付き始めているのかもしれない、下巻に突入したのでもう少しの辛抱だ!、、、2016/05/08

zirou1984

26
章について語る章あれば、何一つ語られぬ白紙の章も表れたりと相変わらずのやりたい放題。滑稽さと諧謔さに溢れた内容だが、アイルランドというのは異端文学の系譜でも存在するのだろうか。その皮肉ぶりはスウィフトから受け継ぎ、己の美学を貫き通す様はオスカーを想起させる。またロックの連想作用を取り入れたその技工は「意識の流れ」としてジョイスへと継承され、全編を通して漂う不条理さはさながらベケットの戯曲の様だ。また極東の地では、明治時代に影響を受けた作家が名無しの猫を主人公とした小説を執筆するのだが、それはまた別の話。2013/05/02

志ん魚

22
著者曰く、たった1日分の伝記を書くのに2巻分費やし、1年の歳月を要したため、逆に書くことが364日分増えてしまった。つまり伝記の進捗度は実質364日分のマイナスであり、今後書けば書くほどマイナスは増え続ける。すなわち世の書物が執筆とともに前進していくのに対し、本書は後退していくことになる、ということである。。。。。いやいやいやいや知らんがな(笑)。2011/12/14

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