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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
106
トリストラムは自分の生まれた時の様子から語り始めるのだが、それに関わる様々な事柄や人物に話は飛び、一向に進んでいかない。一巻の終わりでようやくトリストラムはこの世に生を受ける。一番の脱線が叔父のトウビーの半生だ。また、トリストラムの父と母との結婚、母の懐妊、そして出産と、本来はトリストラムが知り得ないような事柄が詳しく述べられる。18世紀半ばに書かれた本書は、ドン・キホーテに其処彼処で言及しているが、ガルガンチュア物語の影響も受けていそうだ。2016/04/29
のっち♬
85
「行為にあらず、行為に関する意見こそ、人を動かすものぞ」トリストラムの親族や誕生に関するエピソードを中心に語られる。精子の小人として射精される場面からという時点で異様なのだが、そこから話は脱線に脱線を重ねる。気がつけば相反する動きを融和させているこの「前進的」な脱線術が本作の特徴で、「あらん限りの機智と思慮分別とを盛り込んで」いる。絶えず目まぐるしく変転する流れに語り手の思考を表す黒塗りや墨流し的な絵も挿入され、奇人の父の数々の珍説といい、メタフィクション的な数々の仕掛けといい、どこまでも人を食った奇作。2020/12/16
中玉ケビン砂糖
71
、色々あるけど、朱牟田夏雄氏の前書き「最も坊主らしからぬ人物にて、最も坊主らしからぬ小説」という漱石のスターン紹介の部分が興味深かった、本格的なスターン論がものされていればもっと面白く感じられたのかも、架空の語り手の半自伝的内容かと思いきや、原題が「ライフ・アンド・オピニオンズ」とあるから、そういうことではないのかと直感、極彩色のページとかラテン語併記の試みも文庫ではちと難しいか、なんにせよ、早くお前生まれてこいよと若干の苛々もあったが、なんだがのめりこめる内容で刺激的、、、2016/05/08
NAO
47
世界の文学史上でも最たる奇書といわれている作品。トリストラム・シャンディの生涯ないし生活が本人の口から語られるということになっているのだが、話は脱線に次ぐ脱線で、この巻の最後でようやくトリストラムが誕生する。この果てしなくどこへ向かうか分からない脱線こそがこの作品の見どころであるらしい。この巻では、お産に関するドタバタと別室で呑気な話をしながら待っている父親・叔父二人との温度差も笑わせどころとなっているのだろうが、子どもが生まれてくる場面での二人の数々の不謹慎な言動は、女性にとってはかなり不愉快だった。2016/04/05
lily
34
あー!期待値が大きかっただけに残念無念!どこが機知なのか思慮分別なのかさっぱりわからない。いつ観ても全然笑えなかったエンタの神様のコントを思い出す。そんな気品も芸術も感じない繕ったお笑いには胎児の時から騙されない体質なの。心打たれる名文、名言に一行も出逢えなかった。2019/07/09
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