内容説明
「わしがこの国を開いてやる」江戸藩邸で「甲子夜話」の執筆にいそしむ元平戸藩主、松浦静山はこともなく言い放った。友人の千右衛門に連れられ下屋敷に呼び出された雙星彦馬は仰天。こんな発言は露見すると即座に打ち首だった。天文航海に通じた彦馬に期するものでもあるのか。神田妻恋坂の裏長屋に居を定め、寺子屋の合間を縫って織江を探す彦馬。だが、花のお江戸は今日もまた驚きの連続なのだった…。人気シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
172
日常の不思議、怪談、謎解きといったミステリー的な趣向。歴史を背景にした陰謀は時代劇ながらの醍醐味。愛しあう男女がなかなか一緒になれない現代的ラブストーリー。といった具合に面白さの要素を多方面から固めてあってよく出来ている。これで文章が濃いわけでもなく、あっさりさっぱり軽ーく読ませるバランスが非常に良いかと思います。ドラマ版ではオミットされたユーモアが効いてとても楽しい。かといってドラマが悪いという意味ではなく、あちらはあちらで凝縮のさせ方が上手かったように思います。2015/07/04
mr.lupin
56
「妻は、くノ一」、シリーズ第二弾読了。あれ、こんな内容だったかな?と、第一弾の内容をほぼ忘れている状態ではあったが、それでも面白おかしく楽しむ事ができたものの、やっぱり今一つ話のながれか良く掴めなかった。彦馬はこんなにも謎解きが得意だった? くノ一の織江の活躍は? う~ん、やっぱりうまく繋がらないな。もう一度、第一弾から読み直さないといけないな。シリーズ物は余りにも読む間隔をあけると、こんな事にもなってしまうと言う事が良くわかった。☆☆☆☆★2021/05/28
優希
47
織江さんと彦根の関係がもどかしいです。くノ一であるがために愛する人と共にいられないというのが切ないですよね。くノ一の悲しい運命を見たような気がしました。神田妻恋坂の裏長屋に居を定め、寺子屋の合間に織江さんを探す彦馬。一方の織江さんは川村に言い寄られたり、静山に手籠めにされようとしたりと大変なことになっているようです。彦馬と織江さんは晴れて再び結ばれるのか、織江さんはくノ一としての悲しい運命の中江戸を渡り歩くのか。続きがますます気になりますね。2014/08/11
のびすけ
41
シリーズ2作目。彦馬の身の回りの謎解きが中心。失踪した妻・織江を捜す彦馬だが、実はすれ違うくらい近くに織江がいることを彦馬は知る由もない。彦馬の謎解きよりも、彦馬の様子をこっそり窺いつつ密偵として働く織江のお話しの方がスリルがあって面白い。2021/07/08
金吾
39
謎解きの比率が多くなってきています。なかなか会えませんが、互いを想いあっていることはよくわかります。話は大変読みやすいです。織江のくノ一てしての今後の活躍が楽しみです。2019/12/11