出版社内容情報
文芸評論家として,数多くの新人を発掘し,また作家からの信頼も篤い著者が,思い出の本について語る。「昔の本には,いうにいわれぬ匂いがあった。単なるカビの匂いかもしれないが,なつかしい匂いである。その匂いを求めて,本の思い出をたどってみたい」。近代文学を中心とする名作を数多くとりあげ,文学案内としても,格好の一冊。
内容説明
あの日、田舎の座敷を吹きぬけた夏休みの風。剣道家と歌人を夢みる文学青年を圧倒した「一冊の本」かけがえのない人々との出会い、本との出会い―。会津八一『鹿鳴集』、坂口安吾『堕落論』、親鸞『歎異抄』、田宮虎彦、井伏鱒二、井上光晴、向田邦子、土岐善麿ほか。
目次
本の旅(『断想』ジンメル;『大菩薩峠』中里介山;『傑作選万葉集評釈』橋田東声;『地獄』アンリ・バルビュス ほか)
本との出会い、人との出会い(桂浜の月;映画「全身小説家」;式辞;田宮虎彦 ほか)