内容説明
グリム童話集が刊行された当時、ドイツという国は未だ存在せず、人々は封建領主の小国や仏軍占領下に分かれ住んでいた。神話、叙事詩、古の諺、同時代の文学まで広く渉猟、また、古い言語に自在に通じた博識で口伝えの話を採集、ここに魂の次元で人々を結び合わせる、ドイツ的でかつ民衆的なグリムのメルヒェンが誕生した。第2巻には、「黄金のがちょう」「幸せなハンス」「二人の旅職人」等、63話収録。〈全3巻〉
感想・レビュー
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Pustota
5
解説で童話の背景を知れたのが良かった。ずっと読んでると繰り返されるモチーフが頭の中でこんがらがってきて、ひとつひとつの話は忘れてしまうのだけど、人を見かけで判断せずに心根優しく生きているといいことあるのかなーって気がしてくる。シンプルに豪傑が己の道を切り開いていく話も好きだけど。天国から落ちた男の魂がばらばらになって人々の中で今でも生きてるっていう表現も強烈だった。あと挿し絵がシュールで面白い。鼻息が凄い男が兵隊を吹き飛ばす絵とか、なんともいけない味がある。愛馬の首を門にかけておく絵はかなり不気味だった。2020/02/11
鳩羽
0
知恵のある動物の話、下々の人間の話、解雇された兵士の話などが多い。なので当時の取引やら楽しみやらの暮らしなどがよく見えるし、悪魔や聖人などが出てくるのも現実的に思える不思議。よく似た話で結末が違うとか、AとBの話をくっつけてCにしちゃったとか、そういうのも発見すると面白い。2010/10/08