内容説明
「エミール」(教育論)が後世にあたえた影響ははかりしれないものがある。自然主義の教育、消極教育の主張、児童心理の観察、自発活動の強調、宗教教育などあらゆる問題を含む。「エミール」を愛読したカントは<私はルソーから人間を尊敬することを学んだ>と告白している。
〈収録タイトル〉
エミール
※この電子書籍は、オンデマンド本「ワイド版世界の大思想」を底本としております。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
3
長かったので読むのに時間がかかってしまった。しかし内容は素晴らしい。教育書ということになっているが、こんな教育を実際されたらたまらない。ルソーの狙いはともかく、ユートピア小説として読むなら、虚言を鍛え上げたルソーにしか書けない、こんなにも美しい人間の姿が紙上に現れ、それを作者と分身の家庭教師が心から信じているということに人間の尊さを讃えずにはいられない。天才的な思想家が生きた証としてプラトンの国家やカントの純理さえ思わせる。訳は読みやすかったが、誤字は20はあった。デジタル化する際のスキャンミスだろう。2015/08/15