内容説明
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾。
著者等紹介
貴志祐介[キシユウスケ]
1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社に勤務後、作家に。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり、『十三番目の人格ISOLA』と改題して角川ホラー文庫より刊行される。翌年、『黒い家』で第4回日本ホラー小説大賞を受賞、同書は100万部を超えるベストセラーとなる。2005年、『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、10年『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
605
各作品、トリックに関しては小粒なものの、純子&榎本が面白いので読んで退屈しない。榎本のスタンスが、探偵ではなく「密室への出入りが可能か」を検証するコンサルタントだという点も、思った以上に短編向き。裏の仕事ネタをこまめに差し挟んでくるのも楽しい。ただし、すべての作品がクォリティ面でフラット過ぎて、傑出した話が無いのが少し淋しい。『硝子のハンマー』の緻密さ・重厚さとの対比で、期待を裏切られたと感じる読者も多くいそう。かくいう私も、刊行当時はイマイチ読む気になれなかった。このまま『鍵のかかった部屋』に進む。2016/10/05
サム・ミイラ
286
今回は短編集。それぞれ面白く水準は維持しているが、なにぶん前作が重厚で凝りに凝った長編だったため短か過ぎと言うか‥当たり前だが(笑)若干物足りない一篇になってしまった感はある。そのぶん疲れず軽く読めるという利点もあるので、前作未読の方はまずこちらから、でも良いと思う。2015/04/21
takaC
251
表題作はなかなか面白かった。他はシリーズ化のための賑やかし?2013/06/23
おしゃべりメガネ
211
シリーズ第2弾は連作モノでした。一作目より、当然キャラクターが確立しているので、話に入りやすくなっていました。特に榎本君と青砥さんの掛け合い?がテンポよく、少しコメディタッチなのもリラックスさせてくれます。内容的に『黒い牙』が圧巻でした。いつも、そしてどの作品に関しても思いますが、本当に筆者は博識だなぁと。スピンオフ的に前作の人物も数名出てくる演出もニヤリとさせられます。榎本君は本当に憎めないキャラで安定してます。青砥さんも美貌とのギャップ感が作品の流れにいいスパイスとなっていると感じました。2013/08/21
いつでも母さん
130
正直、貴志さんはあまり得意ではない。『硝子のハンマー』の事も忘れていたほどなのだ。この、青砥弁護士が大丈夫?って位心もとなくて、榎本探偵(現役泥棒?)との絡みでもイライラしてしまいながらの読了だった。短編4作、タイトル作はなかなかに面白かったが、『黒い牙』は背筋がぞわぞわしてしまった。蜘蛛は嫌いだ~!(笑)短編なのに読了に時間がかかった。このコンビで密室ものの続編が出るかも・・でも、きっと私は読まないなぁ(汗)2016/08/29