文春文庫<br> 世に棲む日日 〈2〉

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文春文庫
世に棲む日日 〈2〉

  • 著者名:司馬遼太郎
  • 価格 ¥710(本体¥646)
  • 文藝春秋(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167663070

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内容説明

海外渡航を試みるという大禁を犯した吉田松陰は、郷里の萩郊外、松本村に蟄居させられる。そして安政ノ大獄で死罪に処せられるまでのわずか三年たらずの間、粗末な小屋の私塾・松下村塾で、高杉晋作、久坂玄瑞、吉田稔麿らを相手に講義を続けた。松陰が細々と蒔き続けた小さな種は、やがて狂気じみた、凄まじいまでの勤王攘夷運動に成長し、時勢を沸騰させてゆく!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

thee birdmen

108
投獄・蟄居という沙汰の中始動する松下村塾。そこに集まった才気あふれる若者たち。いよいよやってきた時代の変革期に中心となる筈だった松陰はといえば…あっさりと死んでしまいます。しかしながら攘夷のバトンを受け継いだのは稀代の奇才高杉晋作。電光石火・風雨の如き活躍が待っているかと思うとワクワクする終わり方です。とはいえ人の一生が本人の持つ資質と教育と時代背景でこうも変わるものかと思うと運命の皮肉を感じざるをえません。今更ながら短くも命を燃やして尽きる生き様には感服します。2016/03/05

yoshida

102
吉田松陰は渡米を試みるが失敗し幕府に自首する。なんと純なことか。松陰は萩の松本村に蟄居し安政ノ大獄で斬られるまでの3年間、松下村塾を開き狂の種を撒く。松陰の死と同じくして高杉晋作が時代に躍り出る。動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し。晋作が勇躍する。自分の道を見つけられずにいた晋作は上海で攘夷による戦争の活力で、300諸侯からなる日本を天皇を戴く統一国家とする事を決意。帰国後すぐに脱藩する。まさに雷電の如し。晋作の思想を実現するための狂の力が躍動する。わずか28年の生涯で時代を動かした狂に脱帽する。2014/11/29

優希

101
松陰先生の密航は大禁であり、結果安政の大獄で死することになります。死までの短い時間、高杉晋作や久坂玄瑞らに教えた要素が狂気的勤王攘夷へと動くのが、幕末という激しい時代だと思わされました。高杉さんの行動力は松陰先生の思想を継ぎ、現実化すべき理想の中にあったのですね。2018/11/15

夜間飛行

99
黒船による渡米を企てた松陰は「狂」と見られた。しかし今からすれば彼の考えは正しく、幕府は早いとこ鎖国を止めて視察団を送るべきだったと思う。上層武士階級は度を失っており、一介の書生にすぎない松陰がむしろ武士の覚悟を保っている。こういう所に江戸時代の底力があるのだろう。ただし、是か非か迷うのは「思想を維持する精神は、狂気でなければならない」という松陰の信念だ。これは、革命のために人の命を軽視するという暴力肯定論につながるであろう。松陰の狂気は弟子たちによって受け継がれるので、彼らの前途を見つつ考えていきたい。2013/09/08

TATA

88
吉田松陰刑死、そして物語は高杉晋作を主人公に。なるほど、高杉の革命への衝動は松陰が藩に与えた影響なしには語れないということでこの構成か。考えてみれば黒船により日本人は日本国というものを考えるに至ったのだろうな。司馬さんの日本人論もちょいちょい挟みながらの読書を楽しむ。高杉脱藩、攘夷に突き進む。2021/10/16

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