内容説明
元白虎隊士の山川健次郎と妹の捨松らは官費留学生として渡米し、勉学に励む。一方、カリフォルニア開拓に賭けた会津人一団は、理想郷の夢を無惨に砕かれていく。日本近代史に輝いた人々と、異国の土となった者たち――。故郷を奪われた会津藩士達を描き、勝者に歪められた事実を敗者から検証する。明治百年を経た今こそ必読の現代日本再生の示唆に富んだ歴史大河小説。
感想・レビュー
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東森久利斗
3
魂の叫び、斗南の魂は消えず。「北斗以南皆帝州」、最北の地もまた天皇の領地、朝敵でも賊軍でもない、ともに北斗七星を仰ぐ民。望郷への思い。武士の誇り、武家社会への拘り、国家への忠節、急激な社会変革。翻弄、困窮、離散、放浪、反抗、逃亡、再起、希望、挫折。海外留学、移民、贋金、牧場経営、学校創設、邏卒、書生、奉公、…。今日の日本の礎を築き今も生き続ける士魂、敗者の生きざまを近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書、遺談を通してその実相に迫る。2024/01/23
半べえ (やればできる子)
0
★★★2016/06/23