内容説明
会津鶴ヶ城、落つ――。藩主松平容保が京都守護職を拝命して六年。幕府への忠誠を誓い正義を貫いた戊辰戦争は無惨にも敗北したが、榎本武揚率いる旧幕軍艦隊に加わった者は、新たな戦いを挑むべく蝦夷地をめざす……。故郷を奪われた会津藩士達を描き、勝者に歪められた事実を敗者から検証する。明治百年を経た今こそ必読の現代日本再生の示唆に富んだ歴史大河小説。
感想・レビュー
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レアル
52
『会津士魂』の続編シリーズ。先日読んだ司馬氏のエッセイに「戦いの歴史は敗者側を読むと良い」というような事が書かれてあったが、正にこの歴史がそうなのかもしれない。前巻シリーズのラスト「鶴ヶ城落城で終わった」物語を補完する形で、その落城前後辺りと落城後の会津士たちが賊軍としてどのような目にあったのかをこの巻では描かれている。そして会津は藩を追いやられる。また一方で榎本武揚率いる旧幕府艦隊が蝦夷地へ向かっている。鶴ヶ城落城前までは知ってはいても落城後の行方を私は詳しく知らない。次巻は蝦夷地が舞台かな。次巻へ。2018/06/01
まきまき
3
「会津士魂」13巻より、むしろこちらのほうが「鶴ヶ城落城」という感じ。ただ、13巻から引き続き、藩士や家族の悲惨なエピソードを詰め込もうと筆が勇むのか、時系列や人物が頻繁に飛ぶのでちょっと読みづらかった。「榎本艦隊」の章に至って、ようやく落ち着いて人物に沿った物語展開になった。 それにしても、いくら見せしめとはいえ、戦死者の屍体を野晒しにする仕打ちは酷すぎる。痛ましい会津の敗北を経て、舞台は蝦夷へと向かう。それにしても、奥州の雄・仙台藩が会津を支えて徹底抗戦していたらどうだったろうと考えてしまう・・・2017/10/15
東森久利斗
2
重大な歴史誤認、信じられない信じたくない、非人道的、1960年代以降流布した埋葬禁止説。略奪、蹂躙、残虐、厚顔無恥で極悪非道な行為が横行していたことを裏付けるさもありなんの流言。会津愛からの盲信か? 確信犯か? いくらなんでもひどすぎ、薩長に同情。改訂すべき。敗者の生きざまを近代日本が如何なる犠牲のうえに成立し、負債として現代に受け継がれているか。膨大な文献、史書、遺談を通してその実相に迫る。2024/01/19
半べえ (やればできる子)
0
★★★2016/01/29
森永倶莉子
0
【図書館】2013/05/07