内容説明
だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
102
犯人は亀取二郎だ!しかし、鉄壁のアリバイを持つ5人の亀取二郎に翻弄される刑事達。純粋にトリックを楽しむ本格推理もの。クスッと笑えるとぼけた味わいがなんとも長閑だ。今時のドロドロした人間関係や重たい心理描写、科学捜査などとは無縁の世界。「付録」でのトリックや小ネタの裏話も面白かった。2017/12/05
セウテス
64
鬼貫警部シリーズ第17弾。恐喝をしていたと思われる男が、杉並区の自宅で殺害された。男の遺したメモ書きから、恐喝相手は殺害時刻に会う予定だった亀取二郎と言う人物だと解る。警察が亀取二郎を調べて見ると、東京圏内に40人も存在したのだ。やがて容疑者は5人に絞られるが、犯人の名前は解っているのだが、どの人物が犯人か解らないという笑えない設定が特徴。倒叙ミステリの様な始まりだが、シリーズ特有のアリバイ崩しである。中々理解するのに苦労したが、これぞ謎解き作品だと言える。あとがきの、トリックを創る際の苦労話も興味深い。2017/07/21
犬こ
28
犯人の名前は割れたが、候補にあがった同姓同名5人のうち誰か?5人のアリバイ追跡本格ミステリー。移動を伴う時刻表系ミステリーは、昔から計算出来ず苦手ですが、これは人物描写、ディテイルがしっかりで面白く読めました。2016/06/28
coco夏ko10角
24
鬼貫警部シリーズ。冒頭で犯人は亀取二郎と明かされるので「到叙もの?」と思ったら、同姓同名が何人もいて「どの亀取二郎が犯人なのか?」と。シリーズ他作品とは違う感じで面白かった。付録の苦労話なども楽しく読んだ。2019/05/19
ホームズ
14
犯人の名前が分かっているけど同姓同名の容疑者がたくさん(笑)みんな名前が同じだから途中出てこなくなると誰が誰だか若干混乱してしまった(笑)しかし後半になってアリバイトリックが崩れていく感じが良かったですね(笑)基本的にこのシリーズは鬼貫警部よりも丹那刑事が頑張ってるな~(笑)2010/12/17
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