内容説明
二階堂日美子の友人・秀美の弟で、高校生の英二郎が自殺した。彼の遺(のこ)したノートには「殺人源氏物語」というタイトルとメモ書きが……。いじめに対する復讐のミステリー? 日美子は、『源氏物語』の光源氏を巡る人間たちの相関図と照応させながら、いじめっ子の特定を図った。だが、彼女の推理を嘲笑うように、つぎつぎと殺人事件が……!? 著者会心の長篇推理力作!
感想・レビュー
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みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
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いじめを苦に自殺した高校生が遺した、いじめた相手への復讐を小説化しようとした「殺人源氏物語」と題する構想メモ。それに符合するかのように起きる連続殺人事件の真相に、「源氏物語」をめぐる人間関係を重ねながら迫っていく。そんなプロットに興味を持ったのだが、事件は中盤からその期待を裏切る方向へと大転換。大いなる肩透かしを味わわされた気分だった。そもそも源氏物語なんてカギにならなかったし、いじめの問題もただイニシャルから相手を推測するだけの扱い。作者のミスリードにだまされただけと言えなくもないが、かなり不満が残る。2011/09/22