私本太平記(二)

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私本太平記(二)

  • 著者名:吉川英治【著】
  • 価格 ¥785(本体¥714)
  • 講談社(2014/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061965645

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内容説明

鎌倉幕府が開かれてから130年、政治のひずみが到るところに噴出していた。正中ノ変はその典型的な例である。そして公武の亀裂はますます拡大し、乱世の微候が顕然となった。「天皇御むほん」さえ囁かれるである。当時は両統迭立(てつりつ)の世、後醍醐天皇が英邁におわすほど、紛擾のもととなった。この間、足利高氏が権門の一翼として擡頭し、再度の叛乱に敗れた日野俊基とは明暗を大きく分ける。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

103
正中の変、足利高氏と登子の結婚、北条高時の乱心等が描かれる。北条執権体制への不満が高まる。京の公家等による密儀が露顕。六波羅探題により公家等の動きは制圧され、正中の変となる。高氏と登子の婚礼を祝う北条高時。実際は高時が狂酔したいだけだった様子。藤夜叉の無礼に薙刀で荒れ狂う高時。暗愚さが鎌倉の子らにまで知れ渡る。婆娑羅大名の佐々木道誉の行動と心中がなかなか読めない。藤夜叉が意外と活躍の場面を与えられる。後半で浮遊した人々が定住し、そこを統べる「悪党」が語られる。日本史でも習ったことを思い出す。興味深く読了。2022/02/23

Willie the Wildcat

85
元弘の乱勃発。内通で躓き、興福寺などの鈍い反応に、大覚寺統の影もチラつく四面楚歌状態。頼みの綱・正成も遂に動く!第二巻のハイライトは、斬首前夜の俊基との会話の件。資朝の死も踏まえた”大義”の再認識にも繋がる。宮方云々、世直し云々でもない、嫡流足利家としての正義。正季・卯木兄妹が異なる場面での俊基救済や、草心尼・覚一母子と元成・卯木夫妻の遭遇など、奇遇が暗示する運命をあれこれ頭に浮かべる。加えて、御大・兼好の登場。役者揃い踏みで迎える乱の結末や如何に。2022/01/28

chantal(シャンタール)

85
これから南北朝の争いがはじまるのか?という予感で終わった第2巻。すっかり腑抜けになってしまっているらしい楠木正成が今後どう立ち上がるのか?興味深く見守ろうと思う。そして毛利家のそもそもの起こりは神奈川(愛甲郡)だったとは知らなかった!思いがけず馴染み深い地名(しかも町名まで詳細に!)が出て来たり、小さな発見が楽しい。「伯耆の大社」と言うのが出てくるが、どこの神社だろう?名和神社か、波波伎神社か、はたまた大神山神社か。次巻も楽しみ!2019/02/01

優希

78
政治の歪みが出始め、公武の分裂が激しくなってきたので、今後どうなるのか気になってたまりません。六波羅探題と公家の争いに将来が見えるような予感すらしました。前田義貞、楠木正成も登場し、本格的に時代が動き始めたようです。2019/01/16

けろりん

50
正中の変より六年。遂に後醍醐天皇は都を離れ、笠置山中に新都を布く。二巻は近畿地方を中心に展開し、いよいよ河内の悪党、水分の楠正成が登場する。『私本』と銘打つだけあって、揺がし難い史実の他は、吉川氏が自由に創造(像)の翼を広げているのが良い。何と後に能楽を大成するあの人物が正成の縁者とは…。歌舞伎の一幕を観るように、台詞の中で状況が説明され、複雑な人物相関、時勢的地勢的状況も理解しやすい(手元のメモは、びっしりだけれど)。ほぼ役者は出揃い、動乱の三巻へ。2019/02/20

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