内容説明
京で将軍に会い従四位下近衛少将に任ぜられて帰国した景虎は、翌年、房州の里美氏より北条氏康の侵略を訴えられ、関東出陣を決めた。氏康は武田晴信に景虎攻略を依頼、晴信もまた、加賀・越中の一向宗徒に越後侵入を頼んだ。景虎の軍は小田原城を包囲したが、城中の守りは固く、囲みを解いて鎌倉に向かい、八幡宮神前で景虎の関東管領就任式が行われ、憲政から上杉の家督も譲られて、名を政虎と改めた。そして、永禄4年8月、上杉・武田両軍は川中島でついに一大決戦の時を迎えた。
カバーイラスト/熊谷博人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かいゆう
23
いつまた武田が攻めてくるか…という時に、長期間上洛、関東攻めをする。心の中では心配はしながらも、でんと構え落ち着き払っている姿はさすがです。でも所々気性が激しい一面も。ラストは川中島第四次合戦。双方深読み合戦。政虎が斬り込んで行く場面は、やはり見ものでした。最終巻だけど、話半ばで終わりなのご残念です。2016/07/23
湯一郎(ゆいちろ)
5
終わり方を見ると青春純愛小説とも言えるかも。しかしあとがきが面白い。連載50回の予定で始まってあれもこれも書くつもりで伏線モリモリ仕込んだくせに116回まで延長されても書ききれず、結局途中で終わってごめんね!って言ってる。計画性なさすぎてもはやかわいい。2017/12/04
イリエ
4
途中から、もう読んでいるのやら合戦の中にいるのやら、わからないくらいの臨場感があり止められませんでした。「事実の追求は文学の目的ではない。気分や精神を効果的に伝えるにある」と述べておられますが、書き進めながら作者が感動されている様子がこちらにも伝わってきました。2015/10/25
Monty
2
若かりし頃読んだ気がするが、年始に電子書籍で購入し読破。描写が目に映るようで、芸術的。現代の描写とは違うものを新たに感じた。2021/01/30
澤唯
2
確かに著者本人が言っているようにあれやこれやの伏線が回収されていないのであろうことはうっすら感じていた それでも最後の読み合い裏のかき合いからの大決戦には胸が躍るのだ 「悠々と雲の流れる青い空」という終わり方には潔さすら感じて恐らく何十年ぶりかの再読をすっきりと終えた2018/12/13