内容説明
天文12年、長尾晴景の家老昭田常陸介は晴景に反旗をひるがえし、14歳の景虎は春日山城での防戦に初陣を飾った。そして、城を脱出して身を寄せた宇佐美定行の許で、その娘乃美を知った。 翌年、景虎は甲州御坂峠で、狩装束で馬をうたせる若武者を見かけた。24歳の武田晴信、のちの信玄だった。 三条勢らとの戦いに連勝する景虎は、毘沙門天を熱烈に信仰、女を近づけず、律僧のような日々を送るが、兄晴景は、その名声の高まりに不快の思いを強めてゆく。
カバーイラスト/熊谷博人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
90
大地の底から静かに、しかし確かな足取りで。若き臥竜、風雲を貫くべく唸りをあげ始める。クーデターで春日山城を追われた景虎。流浪の身となりながらも宇佐美をはじめ心きいた家臣らと精進に励む。その間、愚兄晴景により家勢は確実に衰え、越後はまたもや群雄割拠に。…早熟ながら軍神のごとき戦ぶりを発揮する景虎。ヒーローを待ちわびていたかのようなワクワク感と高揚感。そして後の宿敵信玄の登場で更なる高揚感。王道の読み応えにココロ満たされながら頁は進む。2024/01/08
かいゆう
31
わずか15歳。まだ幼さが言動に表れる景虎だが、自ら宇佐美定行のもとに赴き弟子となって兵法を学び、初陣にて頃合いをうまく捉えて采配を振り、武勇に長けた武将である事を印象づけられた。一方の晴景のだらしなさといったら…。再び登場した松江が女性らしくとてもかわいらしいのに、周りの人たちと一緒になってこちらもニヤニヤ。好いた者同士が一緒になるのは簡単な事ではないだろうから、幸せでいてもらいたい。2016/05/11
イリエ
4
ストーリーの展開にぐいぐい引き込まれだけでなく、何ともいえない説得力があります。「安眠する大胆さを、名将の素質だと見て感激した。なに、子供というものは、こんな際でも眠くもなり、眠りもするのだが。」話の途中に解釈が入るこの文体、好きです。景虎ってどんな人かもっと知りたくなります。2015/10/06
湯一郎(ゆいちろ)
3
長尾晴景かなりひでえな。なんとなく知ってはいたけど『雪花の虎』とのギャップがすごい。こっちの方が通説なんだけどね。2017/11/17
澤唯
1
天賦の才と行き過ぎた潔癖さ 宿敵との出会い 頼もしき家臣夫婦 どうしようもない兄とそれに囲われた姉弟 次巻へ2018/11/29
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