内容説明
著者綺堂が、長く病床に臥せっていたとき『江戸名所図会』を通読、これが半七捕物帳を書くきっかけになったという。人間味豊かな捕物帳の世界を描いて、江戸の風物詩を現代に伝える永遠の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
11
事件のあらましが語られてすぐに半七老人の後日譚が始まる形のものが出てきて、だんだん推理ものとしての要素が減っていってる気がするなぁ。『三つの声』は単純ではあるけれど話の流れでスルーしてしまう所に目をつけている。作者の筆は円熟味を増し、特に悪党を責めたてる半七の口上が素晴らしい。『十五夜御用心』の「御用心が御用心になって~」や『妖狐伝』の「四相を覚るこの重忠が~」といった言葉の端々に江戸の空気を感じさせられる。2014/05/28
shiaruvy
3
【1986.08.20 初版】 コメントあとから2015/05/04
misui
0
証言の信憑性を暴く話からは現代にまで通じる問題を感じる。といってもこの作品にそれを求めるのは野暮かもしれないが。「これでどうにか白と黒の石が揃ったようだ。まあ、おめえの五目ならべをやってみろ」2011/12/28