内容説明
自家用運転手浜田五郎は、ある春の日の午後、銭湯の主人から、自分の右肩の後ろにある大きな痣が、〈嘆き鳥〉と呼ばれることを教えられた。嘆き鳥……それは、源平の昔、壇の浦の合戦に敗れた平時忠を能登の配所に導いたと伝えられる鳥の名だった……。浜田と恋人敏子の運命をあやつる痣の秘密とは何か? 奇想天外なSF的結末。平家物語に想を得た奔放なロマンのうちに、現代の若者の夢と生活を鮮やかにとらえた傑作小説。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アーチャー
8
平家伝説を巡る冒険活劇を想像して読みましたが、その展開は結末近くの数ページのみという意外な物語。それも、予想外のとんでもない結末にしばらくの間〝なんだ、こりゃ!?〟状態になった私です。そんな読後感を得たい人は(好みに合う小説かは別問題です)ぜひ本書を読んでみてください。2012/11/04
kenpapa
1
再読。作品のほとんどが五郎と敏子の歪んだ愛の物語で最後の30ページ位で思い出したように平家伝説を追いかけ、そのまたラスト数ページでSF的に終演。伝奇ロマンは期待しないで下さい。2019/01/26
つちのこ
0
角川文庫版。カバー違い。1985年頃読了。
やぶやぶ
0
★3