いのちを纏う―色・織・きものの思想

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784894345096
  • NDC分類 753
  • Cコード C0095

内容説明

長年“きもの”三昧を尽してきた社会学者と、植物染料のみを使って“色”の真髄を追究してきた人間国宝の染織家。植物のいのちの顕現としての“色”の思想と、魂の依代としての“きもの”の思想とが火花を散らし、失われつつある日本のきもの文化を、最高の水準で未来へと拓く道を照らす。

目次

1 織ること/着ること(はじめに―展覧会の感想から;志村ふくみの前史;きものの喜び)
2 色の思想/きものの思想(色の思想;きものの思想)

著者等紹介

志村ふくみ[シムラフクミ]
1924年生まれ。紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)。1941年、母より初めて機織を習う。42年、文化学院卒業。55年、郷里の近江八幡にて植物染料による染織を始める。57年、第四回日本伝統工芸展に初出品で入選。翌第五回展から第八回展まで、紬織着物により連続四回の特選を受賞、65年の第九回展からは特待出品者となる。以後、染織作家として自然の恩恵を大切にした創作活動を行ない、日本の伝統技術である紬織を芸術作品に発展させてきた。86年、紫綬褒章受章。90年、紬織の優れた染織技術により国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。93年、文化功労者。著書も数多く、『一色一生』(求龍堂、大佛次郎賞)『語りかける花』(人文書院、エッセイストクラブ賞)ほか

鶴見和子[ツルミカズコ]
1918年生まれ。上智大学名誉教授。専攻・比較社会学。1939年津田英学塾卒業後、41年ヴァッサー大学哲学修士号取得。66年プリンストン大学社会学博士号を取得。論文名Social Change and the Individual:Japan before and after Defeat in World War 2(Princeton Univ.Press,1970)。69年より上智大学外国語学部教授、同大学国際関係研究所員(82‐84年、同所長)。95年南方熊楠賞受賞。99年度朝日賞受賞。十五歳より佐佐木信綱門下で短歌を学び、花柳徳太郎のもとで踊りを習う(二十歳で花柳徳和子を名取り)。1995年12月24日、自宅にて脳出血に倒れ、左片麻痺となる。2001年9月には、その生涯と思想を再現した映像作品『回生 鶴見和子の遺言』を藤原書店から刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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双海(ふたみ)

17
志村:「生活自体がどん底なものですから、養父母も母も、みんなやめろと。織物なんて空をつかむようなことをしたって、子供たちを育てられるわけがないから、帰ってこいといってくれたんです。でも、夜、寝ますと、ぱぁっと織物が目の前にちらつくんです。どうしても離れない。それで、私は母に膝をついて頼みました、織物をやらせてくださいと。」2017/10/22

Y

2
着物が着たくなる本。若い人でも、浴衣でお祭りに行ったり、オーガニックにこだわったりしているから、うまくブームを作り出したら、日本人がもっと着物を着るようになるかもしれない。2016/03/09

もあ

1
日本を知って、世界が知りたいと考える時、きものとは大きな存在になると思う。私は、色の知識も全くといってよい程ないし、日本のそのような面に触れ合う機会も残念だからない。だが、いずれこの話を思い出して、日本人として忘れてはいけないことについて真剣に考えてみたい。2011/03/09

AnoA

0
★★★★★2015/07/16

koz

0
文化学院で身に付けた新しい価値観が民芸からの決別と作家としての活動を行う原動力となった。男の私はいのちを紡ぎ時間を掛けて作られた着物の素晴らしさをなかなか愉しむことが出来ず残念。2011/01/20

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