出版社内容情報
閉塞感を読み解き、将来への対処法を考える
先の見えない経済社会状況、将来の健康不安、叫ばれる財政危機、揺れる国家安全保障の方向性――わが国はなぜ、かくも大きく変わってしまったのか。気鋭の研究者たちが経済学の手法を駆使して変貌の要因分析を試みる、本格的論考集。
編者、執筆陣は慶應義塾大学経済学部教授を2025年3月末で退任した嘉治佐保子研究会の門下生。ゼミの気風である、指導教授があれこれ指導するのではなく、自分の頭で考えて研究テーマを選ぶ自由闊達な環境下で育ち、研究職についた者たちが集まって論考を執筆した。
同研究会が立ち上がった1990年代は、日本の景気が下降・長期停滞局面に入った頃と軌を一にする。以来「失われた30年」と呼ばれ、国民の間に漠然とした「不安感」が蔓延し続けた。本書は数ある「不安」の実相を「家計」「企業」「政策」の三方面から多角的な解析を試みるものである。師の専門である国際金融、欧州経済、フィンテックなどの分野に限らず、カルテル・談合と課徴金減免制度、不確実性の経済学、中央銀行デジタル通貨、富裕税導入、景気変動と健康の関係、わが国の財政不安、政府国内債務再編成、グローバル化と経済安全保障と、幅広いジャンルにわたって考察を繰り広げる。
内容説明
閉塞感を読み解き、将来への対処法を考える。先の見えない経済社会状況、将来の健康不安、叫ばれる財政危機、揺れる国家安全保障の方向性―わが国はなぜ、かくも大きく変わってしまったのか。気鋭の研究者たちが経済学の手法を駆使して変貌の要因分析を試みる、本格的論考集。
目次
第1部 企業の不安(カルテル・談合と課徴金減免制度の考察;不確実性とマクロ経済)
第2部 家計の不安(中央銀行デジタル通貨:銀行貸出と匿名性;富裕税導入に関する考察―貨幣効用モデルの応用;景気変動が健康に与える影響―救急搬送データから得られる知見)
第3部 政策の不安(日本の財政不安を考える;政府国内債務再編成;グローバル化と経済安全保障―二元論からの脱却に向けて)
著者等紹介
亀田啓悟[カメダケイゴ]
関西学院大学総合政策学部教授、日本財政学会理事・前常任理事、財務省「国の債務管理に関する研究会」メンバー。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士後期課程中途退学。博士(経済学)
井深陽子[イブカヨウコ]
慶應義塾大学経済学部教授、一橋大学社会科学高等研究院医療政策・経済研究センター客員研究員、早稲田大学ソーシャル&ヒューマンキャピタル研究所(WISH)招聘研究者。医療経済学会理事、日本医療政策学会理事。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、米国ラトガース大学経済学博士課程修了(Ph.D.)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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