内容説明
ジュリオ・ロマーノの描く『クピドとプシュケの婚宴』に、ベンヴェヌート・チェッリーニの彫金した『塩容れ』に、ブロンズィーノの描く『エレオノーラ・ディ・トレドと次男ジョヴァンニの肖像』に、フェデリコ・ズッカリの描くゴンファローネ『受難伝』に、フェデリコ・ズッカリの建てた“カーサ・ズッカリ”に、ヴィチーノ・オルシーニの綺想したボマルツォ“聖なる森”に、マニエリスムの芸術郷のネクタルを!
目次
プロローグ マニエラはその人自身である―一六世紀イタリアにおける様式と創造
第1章 欲情のエロティカ“君主の愛”と“神々の愛”―パラッツォ・デル・テ「クピドとプシュケの間」再考
第2章 彫金は製塩のように―チェッリーニ『塩容れ』における観者と彫金師
第3章 肖像画のポリティクス―ブロンズィーノ『エレオノーラ・ディ・トレドと次男ジョヴァンニの肖像』
第4章 オラトリオ・デル・ゴンファローネの『受難伝』―一五七〇年代ローマの美術状況
第5章 フィレンツェのカーサ・ズッカリ―アトリエのファサードに刻印された画家のメッセージ
第6章 ボマルツォの驚異―「聖なる森」のマニエリスム的世界
エピローグ 「時代の身体」としてのマニエラ