人間とは何か―過去・現在・未来の省察

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  • サイズ A5判/ページ数 485p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784623049882
  • NDC分類 104
  • Cコード C3010

内容説明

著者の学問と思想と人間全体をパノラマ風に概観する上で格好な入門書。同時に、ヨーロッパ人による近代ヨーロッパ批判、非欧米世界に対する著者の深い関心と尊敬心が随所に見られるなど、まさに“国境を超えた”現代学問論が展開されている著作でもある。

目次

第1章 人間は何者なのか
第2章 自然の歴史
第3章 人間はどこから来たのか
第4章 時間・物理学・近代形而上学
第5章 現代学問論
第6章 哲学の素描
第7章 宗教の道程
終章 人間はどこへ行くのか

著者等紹介

ヴァイツゼッカー,カール・フォン[ヴァイツゼッカー,カールフォン][Weizs¨acker,Carl Friedrich von]
1912‐2007。専門は理論物理学・哲学・キリスト教神学。ハイゼンベルクのもとで博士号取得。後に、内外諸大学から名誉博士号(法学・神学・哲学・理学)が授与される。ミュンヘン大学名誉教授。1912年6月海軍武官の父の勤務地、ドイツ北西部の港湾都市キールに生まれる。ベルリン、ライプチヒほかの大学で、物理学・天文学・哲学を学ぶ。24歳でハーンやハイゼンベルクの指導下、後に「ベーテ=ヴァイツゼッカー理論」と呼ばれた理論物理学上の新理論を発表。第二次世界大戦末期、“原爆製造の嫌疑”を理由にイギリスに拘。釈放後、ゲディンゲン大学、ハンブルク大学などで自然科学・哲学・神学の研究に専念。他方、批判的核物理学者として50年代西ドイツ政府の「核武装化構想」に厳しく対決した。絶対平和主義者として運動の先頭に立ちカント的平和論を強力に主唱(ゲティンゲン宣言)し、戦後ドイツの安全保障政策に大きな影響を与えた。“物理学の哲学的根拠づけ”が彼のライフ・ワーク。1980年から要請により彼はミュンヘン近郊シュターンベルクのマックス・プランク研究所所長に就任し、社会哲学者ハーバーマスと共に、学融合的総合研究を開始した。現代学問のあるべき体系化、自然科学・人間科学・社会科学三領域の現実的統合化模索に没頭。2007年4月28日満95歳誕生日を前に逝去

小杉尅次[コスギカツジ]
1942年静岡県天龍市(現浜松市)に生まれる。ドイツ・ハンブルク大学神学部博士課程(1983年1月、同大からPh.D.取得)。静岡産業大学教授。専門は地球文明学・哲学

新垣誠正[アラガキセイショウ]
1941年沖縄県那覇市に生まれる。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。沖縄国際大学教授。専門は倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご singoito2

7
リクールきっかけ。量子物理学者が書いた哲学の本。メチャ頭のいい人が頑張って分かりやすく書いているのに、当方のオツムの出来が違いすぎて、話しについて行けない。連続と不連続、主体と客体、部分と全体のような対立を包超する「量子論の全体論(傍点)的理解からすれば、人間の存在そのものが本来全体としての世界の一部分なのです。」p414として、逆に古代の各地の哲学と宗教が「少しばかり人間の力を超越した此岸世界に存在する学問の領域でもある」p128として新しい哲学を可能にする「問い」を提示してくれている、と読みました。2023/03/28

マウンテンゴリラ

2
人間とは何か。そもそも論として私とは何か。そのような疑問が目下の私の読書によって追求する一つのテーマと言ってもよいだろう。しかし、それを他人が書いたものを通じて知ることなど所詮不可能であることは、これまでの経験で明らかともいえるだろう。しかし、と言ってそれが益々解らないといったものではなく、それを問い続けることが、人間の肯定的な意味での特異性、可能性でもあり、義務でもあるということは言えそうな気がする。本書は明らかに、今まで私が中心に読んできた仏教的人間観とは異なり、→(2) 2019/09/08

壱萬参仟縁

0
公共圏のハーバーマスとタグを組んでいるのが素晴らしい。「人間とは共に生きるための、人生の対話者という存在である」(1ページ)。富裕と貧困についても、鋭い分析だと思える(134ページ~)。21年前の本なのでまだ南北問題と言っていたころだろうが、湾岸戦争、PKO協力法とか言っていたのを思い出す。著者は文化と宗教の関係を強調している。信じるか、信じないかは自由だが、信じない文化、信じる文化、人によって是是非非である。肝心なことは、人に流されず、自ら判断し、行動することである。そのための素材や情報は溢れている。2012/10/26

おっとっと星

0
いいんだけど、やっぱりこういうトピックは1冊の本にまとめるのは難しいんだなとつくづく思った。自然科学や哲学、宗教、社会科学、色々な方向から切り込んでいるけれど、ちょっと漠然としすぎかな。C.ヴァイツゼッカーの人間性や研究姿勢はすごいと思う。2010/07/08

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