内容説明
著者の学問と思想と人間全体をパノラマ風に概観する上で格好な入門書。同時に、ヨーロッパ人による近代ヨーロッパ批判、非欧米世界に対する著者の深い関心と尊敬心が随所に見られるなど、まさに“国境を超えた”現代学問論が展開されている著作でもある。
目次
第1章 人間は何者なのか
第2章 自然の歴史
第3章 人間はどこから来たのか
第4章 時間・物理学・近代形而上学
第5章 現代学問論
第6章 哲学の素描
第7章 宗教の道程
終章 人間はどこへ行くのか
著者等紹介
ヴァイツゼッカー,カール・フォン[ヴァイツゼッカー,カールフォン][Weizs¨acker,Carl Friedrich von]
1912‐2007。専門は理論物理学・哲学・キリスト教神学。ハイゼンベルクのもとで博士号取得。後に、内外諸大学から名誉博士号(法学・神学・哲学・理学)が授与される。ミュンヘン大学名誉教授。1912年6月海軍武官の父の勤務地、ドイツ北西部の港湾都市キールに生まれる。ベルリン、ライプチヒほかの大学で、物理学・天文学・哲学を学ぶ。24歳でハーンやハイゼンベルクの指導下、後に「ベーテ=ヴァイツゼッカー理論」と呼ばれた理論物理学上の新理論を発表。第二次世界大戦末期、“原爆製造の嫌疑”を理由にイギリスに拘。釈放後、ゲディンゲン大学、ハンブルク大学などで自然科学・哲学・神学の研究に専念。他方、批判的核物理学者として50年代西ドイツ政府の「核武装化構想」に厳しく対決した。絶対平和主義者として運動の先頭に立ちカント的平和論を強力に主唱(ゲティンゲン宣言)し、戦後ドイツの安全保障政策に大きな影響を与えた。“物理学の哲学的根拠づけ”が彼のライフ・ワーク。1980年から要請により彼はミュンヘン近郊シュターンベルクのマックス・プランク研究所所長に就任し、社会哲学者ハーバーマスと共に、学融合的総合研究を開始した。現代学問のあるべき体系化、自然科学・人間科学・社会科学三領域の現実的統合化模索に没頭。2007年4月28日満95歳誕生日を前に逝去
小杉尅次[コスギカツジ]
1942年静岡県天龍市(現浜松市)に生まれる。ドイツ・ハンブルク大学神学部博士課程(1983年1月、同大からPh.D.取得)。静岡産業大学教授。専門は地球文明学・哲学
新垣誠正[アラガキセイショウ]
1941年沖縄県那覇市に生まれる。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。沖縄国際大学教授。専門は倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう・しんご singoito2
マウンテンゴリラ
壱萬参仟縁
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