出版社内容情報
アメリカを乗っ取った「危険な思想」の正体を明かす! トランプ政権による国家改造の成否に関わらず、リベラル・デモクラシーへの不信感は決定的なものとなっている。左右両極の間で起きた思想戦争の内幕を追いながら、テック右派から宗教保守、ネオナチなどの思想家たちが、なぜリベラルな価値観を批判し、社会をどのように作り変えようとしているのか、冷静な筆致で読み解く。
【目次】
内容説明
アメリカを乗っ取った「危険な思想」の正体を明かす!トランプ政権による国家改造の成否に関わらず、リベラル・デモクラシーへの不信感は決定的なものとなっている。左右両極の間で起きた思想戦争の内幕を追いながら、テック右派から宗教保守、ネオナチなどの思想家たちが、なぜリベラルな価値観を批判し、社会をどのように作り変えようとしているのか、冷静な筆致で読み解く。
目次
第一章 左右からの急進主義に揺れるアメリカ
第二章 一六一九年か一七七六年か、それとも
第三章 ポストリベラル右派の躍進
第四章 テクノロジーと反中主義の背後にあるもの
第五章 大いなる置き換えとグローバル化する文化戦争
第六章 右派進歩主義の台頭?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぽん
47
米政治思想史の専門家が、リベラル・デモクラシーへの不信感を露わにする近時の左右両極の政治家、知識人を追った書。ネット等で白人アイデンティティを主張するオルトライト、ロック以来の古典的自由主義とは手を切り、市場や企業にも敵意を抱くポストリベラル右派、アフリカ等の非白人による白人の「置き換え」に警鐘を鳴らす極右思想、テクノロジーへの無限の信頼を主張する右派進歩主義等を、急進左派の立場からリベラリズムを攻撃する批判的人種理論等と対比して概説。穏健であることは罪、巨大な他山の石と化した米国との文言に深く憂慮の念。2025/07/12
無重力蜜柑
11
リベラルな世界を、ぶっ壊す!(ガンギマリ)トランプの再選に象徴されるように、現在、米国のイデオロギー戦争は右の大きな「巻き返し」の時期にある。著者曰く「第三のニューライト」と呼ばれるこの右翼的思想潮流を、カテゴリー別に紹介する珍しい本。豊富な英語文献(Webページも含む)を使って日本ではほぼ知られていない人物も紹介している。そこから浮かび上がってくるのは現在の米国右派が内包する(必ずしも味方同士とは限らない)多様な思想、それにも拘らず彼らが示す、保守派も含む既存エスタブリッシュメントへの反逆の性格である。2025/06/28
金吾庄左ェ門
1
何の怨みがあるか存じませんが、リベラルな世界など破壊してもらった方が世界は平和になります。各人物に難がないとは言いませんが、紹介の仕方が評価する風でもなくどことなく嫌味を感じます。このような新右翼が勢力を得たのは、リベラルに全ての原因があります。リベラルにも著者にも、額に汗して働く人を何段も下に見ているから、このような時代を迎えたと言えます。2025/07/01
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