内容説明
人とことばと社会を視点に、どのような社会を築けるか。日本語教育を通じて探究していく実践の学。
目次
第1部 公共日本語教育学は可能か(公共日本語教育学の可能性―公共人類学の視角から;公共性と自由―「公共の福祉」をどう理解するか;言語学習の公共性と私性;日本語教育は誰のためのものか?―自己実現のための日本語教育をめざして;日本語教育の公共性を問う―過去・現在・未来)
第2部 実践から、公共日本語教育学を考える(学校現場から考える;歴史の中で考える;教室空間から考える;ネットワークから考える;専門性から考える)
第3部 公共日本語教育学の構築へ向けて(日本語教育学における「公共性」を考える;公共日本語教育学の地平)
著者等紹介
川上郁雄[カワカミイクオ]
早稲田大学大学院日本語教育研究科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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るん
1
日本語教育も、公共性が問われるようになったと述べている本書。日本語というものが日本人のものではなく、もっと高次で、開かれたものになったことを示唆しているんだろうなぁと思いました。今後入管法によって日本に定住する外国人が増えていくからこそ、日本語教育の公共性は表に出るんだろうなぁ。世の中のグローバルは島国日本においても避けられないんだなぁと思うと、学生は、多様化する日本語や日本語教育を学問として勉強することは有意義だと思いました。2018/11/23
Guro326
0
★★★☆☆ 私の興味関心は、日本語が母語であってもなくても、公共空間の伝わりやすい日本語、というものはなかろうか、ということ。でも本書は(日本語母語話者でない人への)日本語教育の新たな地平としての公共日本語教育であったが、その理念方向性と実践の報告。引き寄せて考えるが、この方向は、社会に必要な日本語とは何か、どう身につけるべきか、であって、日本語母語話者であっても、もしかしたら欠落している部分かもしれない。(AIセンター試験受験研究から派生した「読めているのか?」問題も想起しつつ。2017/10/03