息のブランコ

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  • サイズ B6判/ページ数 385p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784384043501
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

2009年度ノーベル文学賞受賞者ヘルタ・ミュラーの最新の小説、待望の邦訳。

2009年度ノーベル文学賞受賞者ヘルタ・ミュラーの最新の小説、待望の邦訳。

2006年に逝去したルーマニア・ジーベンビュルゲン地方出身の詩人である友人へのオマージュ。

1945年、約8万人ものルーマニア系ドイツ人が、家畜運搬貨車でソ連の強制収容所に連れて行かれ、そこで5年間、ルーマニアがナチスに服従した罰として過酷な労働に駆り立てられた実話がもとになっている。

【著者紹介】
ヘルタ・ミュラー

2009年度ノーベル文学賞受賞。

1953年ルーマニア西部バナート地方でドイツ系家庭に生まれた。父親は第2次大戦中、ナチス武装親衛隊で兵役を務め、母親は1945年にソ連の収容所に連行された。ティミショアラ大学でドイツとルーマニアの文学を学ぶ間、チャウシェスク大統領の独裁に反発し、言論の自由を求める運動に参加。工場の翻訳者となったが、秘密警察への情報提供を拒んで解雇され、失職。こうした体験を作品に投影した。

ルーマニアの小さなドイツ系社会における腐敗や不寛容、抑圧などを題材にした短編集「澱み」を1982年に発表。ルーマニアでは検閲対象となったが、検閲前の版がドイツ語圏で高く評価された。

1984年には作風を危険視した当局がミュラーの国内での出版活動を禁止。このため、1987年に夫と西独へ移住した。その後も「緑の梅の土地」(1994年)などで独裁下の民衆の窮状を描いた作品を発表。ヨーロッパ文学賞など多くの文学賞を受賞した。代表作に「狙われたキツネ」(1992年 邦訳:三修社1997年)、「息のぶらんこ」(2009年)

内容説明

ソ連に強制連行されたルーマニア人の主人公レオポルトが5年の歳月を過ごした収容所の索漠とした世界。ノーベル文学賞受賞作家の著者が聞き取り調査をもとに書き上げた渾身の小説。

著者等紹介

ミュラー,ヘルタ[ミュラー,ヘルタ][M¨uller,Herta]
1953年ルーマニア・ニツキードルフ生まれ。ドイツ系少数民族の出。母語はドイツ語。1987年にドイツに出国、現在はベルリン在住。クライスト賞(1994)、ヴュルト=ヨーロッパ文学賞(2006)など多数の文学賞のほか、2009年にはノーベル文学賞を受賞

山本浩司[ヤマモトヒロシ]
1965年大阪生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。現代ドイツ文学専攻。広島大学総合科学部講師を経て、早稲田大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うぉ

15
不思議な一冊だった。扱っているテーマは戦争と強制収容所なので間違いなく哀しいし、ずっしりくるはずなのだが、読後感は妙にふわふわとしている。解説を読んでその独特の感覚に納得。作者の感性が素晴らしいので、他の作品も試したい。2019/08/17

きゅー

10
1945年、ルーマニア在住のドイツ人がソ連の強制収容所に移送された。17歳のぼくもその移送者に含まれていた。この物語のやるせないところは、語り手が故郷に戻ってからだ。彼は収容所にいた5年間で魂を傷付けられてしまっており、家族に馴染むことが出来ない。その傷は、彼が収容所にいた間に弟が生まれたという事実も大きく影響している。家族の間にあっても亡霊のような彼は、やがて彼らの許を去る。「ひもじさ天使」という造語が何度も登場する。各人が取り憑かれている飢えの象徴のことだが、そのひもじさ天使がこの物語の主役でもある。2016/07/13

新田新一

9
2009年にノーベル文学賞を受賞したルーマニア系ドイツ人の作家、ヘルター・ミュラーの長編。この本を読むまで、ルーマニア人がソ連の強制収容所で、働かされたことを知りませんでした。全く希望を持てない状態で生き続ける人々の姿が、断章を積み重ねる形で描かれています。散文というより散文詩の集まりのような内容です。断章にすることで、単調な描写になりがちな収容所の様子が、詩的なイメージを帯びる箇所が、心に残りました。飢えの苦しみの描写は強烈です。共産主義の悪しき一面を、ひるむことなく描き出した傑作。2023/09/23

Mark.jr

5
読み返し。 本書に限らず著者の作品の最大の魅力は、その文章でしょう。ノーベル賞委員会が「濃縮した詩的言語」と評してましたが、まさにその通りで、複雑ではなく簡潔なのに一文の密度が濃い。本書は、十八番である共産主義の監視社会とはちょっと違い、強制収容所体験を扱ったものになります。英題が"Hungry Angel"となってるように(本書中ではひもじさ天使)、終始飢えとの闘いの記録とも言える、過酷さが伝わる内容ですが、同時にどこかユーモラスなのが素晴らしいというか。この両立性こそ、表現のなせる技だよなと思います。2024/05/15

ハルト

4
ルーマニアにおけるドイツ人のソ連への強制連行という負の歴史。断章という形で綴られていく、主人公の収容所での単調で過酷な日々。飢えという「ひもじさ天使」に支配され、「ハーゾーヴェー(ああ悲しくてたまらない)」と嘆きながら、祖母の「おまえは必ず帰ってくる」という言葉を自分に言い聞かせ希望にし、ただひたすらに生きる。淡々とした収容所生活の、果ての見えない恐ろしさ。生き延び帰郷しても拭うことのできない喪失感。死ぬまで彼を捕らえ続けた収容所の影。重苦しく息苦しい、生きることへの閉塞感が伝わってくる作品でした。2011/12/10

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