出版社内容情報
2009年度ノーベル文学賞受賞者ヘルタ・ミュラーの最新の小説、待望の邦訳。
2009年度ノーベル文学賞受賞者ヘルタ・ミュラーの最新の小説、待望の邦訳。
2006年に逝去したルーマニア・ジーベンビュルゲン地方出身の詩人である友人へのオマージュ。
1945年、約8万人ものルーマニア系ドイツ人が、家畜運搬貨車でソ連の強制収容所に連れて行かれ、そこで5年間、ルーマニアがナチスに服従した罰として過酷な労働に駆り立てられた実話がもとになっている。
【著者紹介】
ヘルタ・ミュラー
2009年度ノーベル文学賞受賞。
1953年ルーマニア西部バナート地方でドイツ系家庭に生まれた。父親は第2次大戦中、ナチス武装親衛隊で兵役を務め、母親は1945年にソ連の収容所に連行された。ティミショアラ大学でドイツとルーマニアの文学を学ぶ間、チャウシェスク大統領の独裁に反発し、言論の自由を求める運動に参加。工場の翻訳者となったが、秘密警察への情報提供を拒んで解雇され、失職。こうした体験を作品に投影した。
ルーマニアの小さなドイツ系社会における腐敗や不寛容、抑圧などを題材にした短編集「澱み」を1982年に発表。ルーマニアでは検閲対象となったが、検閲前の版がドイツ語圏で高く評価された。
1984年には作風を危険視した当局がミュラーの国内での出版活動を禁止。このため、1987年に夫と西独へ移住した。その後も「緑の梅の土地」(1994年)などで独裁下の民衆の窮状を描いた作品を発表。ヨーロッパ文学賞など多くの文学賞を受賞した。代表作に「狙われたキツネ」(1992年 邦訳:三修社1997年)、「息のぶらんこ」(2009年)
内容説明
ソ連に強制連行されたルーマニア人の主人公レオポルトが5年の歳月を過ごした収容所の索漠とした世界。ノーベル文学賞受賞作家の著者が聞き取り調査をもとに書き上げた渾身の小説。
著者等紹介
ミュラー,ヘルタ[ミュラー,ヘルタ][M¨uller,Herta]
1953年ルーマニア・ニツキードルフ生まれ。ドイツ系少数民族の出。母語はドイツ語。1987年にドイツに出国、現在はベルリン在住。クライスト賞(1994)、ヴュルト=ヨーロッパ文学賞(2006)など多数の文学賞のほか、2009年にはノーベル文学賞を受賞
山本浩司[ヤマモトヒロシ]
1965年大阪生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。現代ドイツ文学専攻。広島大学総合科学部講師を経て、早稲田大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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