出版社内容情報
源義経の数ある武功伝説は真実か? 坂本龍馬は本当に薩長同盟・大政奉還の立役者だったのか? 上杉謙信は仁のために戦っていたのか? 歴史ファンを魅了するさまざまな伝説は果たして虚妄に過ぎないのか。日本史の英雄14人を取り巻く虚実を検証し、史実からその真実の姿を、大人気の東大学者がわかりやすく説明し読み解く一冊。嘘だらけの歴史に騙されたくない人のための「日本史」入門。
内容説明
源義経の数々の武功は伝説に過ぎなかった!?元寇を撃退したという北条時宗は本当に日本を守った英雄か?「義の武将」のイメージに彩られた上杉謙信の真の姿とは!?小説や漫画、映画など、さまざまなメディアで描かれてきた歴史上の偉人・英雄たち。果たして、その実態とは!?作られた歴史像の正体を暴き、その虚像を討つ、人気の東大教授が綴る歴史エッセイ。
目次
第1章 藤原道長の虚像
第2章 源義経の虚像
第3章 源頼朝の虚像
第4章 北条時宗の虚像
第5章 足利尊氏の虚像
第6章 武田信玄の虚像
第7章 上杉謙信の虚像
第8章 織田信長の虚像
第9章 赤穂浪士の虚像
第10章 坂本龍馬と新撰組の虚像
第11章 西郷隆盛と大久保利通の虚像
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。東京大学・同大学院で石井進氏、五味文彦氏に師事し日本中世史を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
118
一般に流布されている偉人の虚像を歴史学者が暴くとのことだが、参考文献も示されないこの新書で虚実を判断できる訳はない。色んな解釈を巡らす歴史の面白さとして、軽く読み流すのがいいだろう。源義経や坂本龍馬の胡散臭さについては納得感が高いが、一方、凡庸な北条時宗、義のない上杉謙信、テロリストの西郷隆盛などを鵜呑みにするには躊躇がある。最も新鮮だったのは、優柔不断で「うじうじ尊氏」と思っていた足利尊氏を、「一つ一つの行動に合理性がある。冷静で冷酷なリアリストでありマキャベリスト」と高く評価している点。なるほど…。2024/12/25
バーバラ
11
本書に出てくるのは誰もが知っている有名人ばかり。小説や映像作品で作られた彼らのイメージに研究者目線で物申す1冊。同一人物でありながら膨大な資料を読み込んだ著者の評価とエンタメのキャラクターとして見たヒーロー像の対比が面白かった。といってか決して貶しているわけではない。織田信長などは実は一戦国大名に過ぎないとする最近の考察を否定しやはり傑物であると評している。作られたイメージを一旦脇に置いて等身大の彼らを知る楽しさ。毎回思うのだが本郷先生にハズレなし。巻末には他著の広告。ああまた買ってしまうではないか。2025/02/05
plum
4
はじめに,歴史学の基本は資料を読みこなせることとある。その資料を使いこなすことも大事とある。藤原道長,源義経,源頼朝,北条時宗,足利尊氏,武田信玄,上杉謙信,織田信長,赤穂浪士,坂本龍馬,西郷隆盛の虚像に言及。信長はレベチな戦国武将としつつ,「こき使われた光秀が,疲れ果てた末に逆ギレしてつい信長を討ってしまった,というのが本当のところなのではないでしょうかp164」にうけた。平安時代のぬるさ,猪武者の義経,鎌倉幕府の外交オンチ,合理的な尊氏,薩摩の陰謀者たち。見通し良いマップを眺めるような読後感だ。2025/03/04
みよっぴ
3
★★★★☆ うん、面白い。 坂本龍馬って、あまり研究対象にならないのか…2025/04/06
Oki
2
平安時代のぬるさと足利尊氏観は、ちょっと新鮮だったが、それ以外はわりと普通の ような気がする。2025/04/07