文春文庫<br> まぐさ桶の犬

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文春文庫
まぐさ桶の犬

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  • サイズ 文庫判/ページ数 464p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167923419
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

ミステリ作家やミステリファンに熱い支持を受ける“葉村晶”が帰ってきた──!

タフで不運すぎる女探偵・葉村晶。
吉祥寺のミステリ専門書店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でアルバイトとして働きながら、〈白熊探偵社〉のただ一人の調査員として働いている。

「さよならの手口」(2014年4位)、「静かな炎天」(2016年2位)、「錆びた滑車」(2019年3位)、「不穏な眠り」(2021年10位)と「このミス」上位常連の人気シリーズ、5年ぶりの書き下ろし長編が文庫で登場です。

「鼻からポタポタと血を垂らしながら考えた。いったいどこのどいつだ、わたしを殺そうとしているのは……。
心当たりは、ありすぎるほどあった」(本文より)

葉村晶も五十代に突入し、老眼に悩まされるお年頃。
魁皇学園の元理事長でミステリのエッセイストとしても名を馳せた乾巌、通称カンゲン先生に、<秘密厳守>で「稲本和子」という女性の行方を捜してほしいと頼まれた晶。
彼女の一人娘は学園の理事だったが、本屋で万引きしたとして留置中に急死していた……。
高級別荘地の<介護と学園地区構想>など、さまざまな思惑が絡み合い、
やがて誰もが予想のしない結末へ!

前回の書き下ろし長編「静かな炎天」は「このミス」2位、「読書芸人」のカズレーザーさんや、のんさんも絶賛、2020年には、NHK総合で「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」として連続ドラマ化もされています。
クールでドライでシニカルで、唯一無二の強烈な魅力を放つ葉村晶が、緑の古い小型車“毒ガエル”を駆って真実に迫ります。

内容説明

仕事はできるが、不運すぎる女探偵・葉村晶も老眼に悩まされるお年頃。そんな晶に“秘密厳守”の人探しの依頼が舞い込んできた。依頼主は魁星学園元理事長。ひと癖もふた癖もある関係者たちに翻弄されながら、緑の古い小型車“毒ガエル”を駆って奔走する晶に忍び寄る謎の影。満身創痍の晶は予想もつかない結末に辿り着く―。

著者等紹介

若竹七海[ワカタケナナミ]
1963年、東京生まれ。立教大学文学部卒。1991年、「ぼくのミステリな日常」で作家デビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞 短編部門を受賞。2015年、葉村晶シリーズ「さよならの手口」でミステリファンクラブ・SRの会による〈SRアワード2015〉国内部門を受賞、「このミステリーがすごい!」4位。2016年、同シリーズ「静かな炎天」が「このミステリーがすごい!」2位、SRアワード2017国内部門、ファルコン賞を受賞。日常の生活に潜む人間の悪意に対するかわいた視線を持ちながら、決して重苦しくならない洒落たセンスがその作品空間には常に漂っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

85
若竹さんの本を読むのは3年ぶり。探偵の仕事は久しぶりと、葉村晶は元学園理事長から人探しの依頼を受ける。由緒ある学園を牛耳る一族は、みんな癖がありすぎて。いつもなら一気に読むのだが、やたら登場人物が多くて把握するのが一苦労で時間がかかった。何回もページを戻ってしまった。さらに皆な不倫だの庶子だのと、関係性がややこしい。甥でもあり従兄弟でもあるとか、姪でもあり義理の妹でもあるとか、体面を重んじるわりには、かなり関係性が乱れていた。そしてそんな話ばっかりでちょっとうんざりです。2025/04/09

ふう

77
やっと会えた葉村晶。50代になっていました。多分、体力の衰えはかくせない。1ページ目からおそろしい事故が起き、今回も大変な目にあうのだと覚悟して読み始めました。単純な人探しだと思っていたら、依頼者にも探される方にも、取り巻く人々にもとんでもない過去があり、現在進行形の事件が絡み、葉村晶もその事件にしっかり巻き込まれていきます。『不運という名の基礎疾患』はあるけど、根性と誠実さゆえ人脈には恵まれていて幸運の方が勝っているかもしれません。それにしても、こんなひどい人間がいるのかと驚きますが、いるんでしょうね。2025/03/29

k5

70
大好き。葉村シリーズらしい不運の連続と、クリスティみたいなややこしい人間関係、『高い窓』を思わせる葉村の姿勢に、志水辰夫の『行きずりの街』みたいなメロドラマ。好きなものが盛り盛りで、シリーズの中でもいちばん好みに合う一冊だったと思います。もう一回読んで味わいたい。2025/04/22

アーちゃん

57
2025年書下ろし。5年ぶりの葉村晶。冒頭から緑の小型車”毒ガエル”をぶつけられいきなり危機に。「心当たりは、ありすぎるほどあった」と回想へ。舞台は2023年、コロナが第5類に引き下げられた頃。魁皇学園の元理事長でミステリのエッセイストとしても名を馳せた通称カンゲン先生に<秘密厳守>で「稲本和子」という女性の行方を捜してほしいと依頼。学園のある国分寺と山梨の「高級別荘地」を調査するが。ご近所にも親族がいるというこの学園、欲の皮の張った人間ばかり。葉村晶も五十代、老眼に花粉症に満身創痍。でも面白かった。2025/04/21

papako

45
あーあ読んじゃった。とうとう50代の葉村さん、相変わらずの不幸体質です。コロナ禍をすぎた花粉症の春の事件でしたね。人が多すぎてこんがらがった。探偵が開店休業だった3年間で少し鈍った?葉村さん。裏目裏目にでたり、勘がはずれたり。読んでて切なくなりました。葉村さんの年も実感したけど、自分の年も実感しました、まったく同世代の私は、これだけ伏線張りまくられる小説が読みづらくなってきた。葉村シリーズが楽しめないなんて辛いなぁ。救いはお別れの会がうまくいったことかしら。次、還暦の葉村さん?2025/03/29

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