出版社内容情報
からだの話、酒の話、美人の話、本の話、男の持ち物の話、子供の頃の話──在りし日の作家の息づかいが聞こえる、名エッセイの数々
内容説明
「ややや」と驚く場合にもいろいろなタイプがあるという、表題作「やややのはなし」をはじめ、からだの話、酒の話、本の話、ライター、万年筆など男の小道具の話、子供のころの話、そして美人の話など、縦横無尽に語られるとっておきの話。ホンモノの大人の粋と洒落っ気がどの一篇にも漂う、玉手箱のようなエッセイ集である。
目次
七草の日
十年間
やややのはなし
CRANKについて
車の運転
お酒と酒と日本酒
美人六百年周期説
雨傘のはなし
蜜豆のはなし
パンダの名前〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓@入院中
16
エッセイ集。淳之介さんらしい色気やダンディズムももちろん感じられるのだが、突き放したような作家のまなざしも時折顔をのぞかせる。欝やさまざまな病気に悩んでいらしたのは知っていたけれど、もう少し節制していただきたかった・・・というのが本音である。2013/02/06
5〇5
5
本書を手にしたきっかけは新聞のコラムの一文から(詳細はコメント欄へ) ♦本のタイトルから「ゲゲゲの…」とか「れれれの…」をイメージしていたが全く違うものだった ♣「えぇー」的な驚きである「ややや」を含む小粋なエッセイ集だ ♥「平成」の最後に「昭和」のダンディズムを懐かしんだ次第である ♠あと、こんな言葉も頭に浮かんだ「七五三 二つ足したら 五七五」。2019/04/21
ライム
3
晩年の、病気がいくつも重なった辛い時期だったそうで、小説執筆は少なくても、本書のように優れたエッセイが書けるメンタルの強さが格好良くて尊敬します。過去を題材にした 項は、著者の明晰な記憶力に驚きつつ名文を楽しんだ。時速百キロで走ってエンストする父とのドライブの道や、叔父と坂の上の蜜豆屋に行く話のわびしさ、そして隣家の美少女が自分と同じパジャマを着て庭に佇んていた話にはドキドキしました。雑誌編集者時代の、富永一郎や澁澤龍彦との交流も意外な事実あり興味深かった。2025/09/21
Maumim
3
初めて読む吉行淳之介。 まさか、ここで彼の著作に出くわすとは思わなかった。 「読む本がなくなった」「小説かエッセーを」のリクエストに持ってきてもらったいくつかのうちの1冊。 「それが十個もあれば、物々交換によって一ヶ月は食いつなぐことも不可能でなかったろう。」 LUXの石鹸の話。 そんな戦後の話は、まるで異国の話を聞くような。 自分の知らない昭和の話がおもしろい。 2015/06/15
のん
2
モテそうな男だなぁ。知的で繊細かつ豪快。そして色っぽさもある。もてますよねぇと。




