文春文庫<br> ファザーファッカー (新装版)

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文春文庫
ファザーファッカー (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167911751
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

養父との関係に苦しむ多感で早熟な少女。その怒りと哀しみと性を淡々と綴り、アダルトチルドレンの先駆けとなった自伝的小説。私は、よく娼婦の顔をしていると言われる。

今までに、ホステスを含めた何種類かの職業を経験したという話をすると、「もしかしてあれも?」と売春をほのめかした聞き方をよくされるのだ。十六歳で家出して、野宿から始めた生活ではあったが、ぜったいに売春だけはしなかったのに。

ところが、私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人の客は私の育ての父だった……。



養父との関係に苦しむ多感で早熟な少女の怒りと哀しみと性を淡々と綴り、読む者の心を揺さぶった自伝的小説。



衝撃の出版から25年、著者が凄絶な過去を公表し、生身をさらして生きることで、性的虐待の後遺症に苦しむ女性たちに「私も……」と精神科医を受診する勇気を与えたという。



解説は、当時「被害当事者側から書かれた貴重な作品」と評価した精神科医の斎藤学氏。

25年後のあとがきがついた、完全版で登場!

内田 春菊[ウチダ シュンギク]
著・文・その他

内容説明

私は、よく娼婦の顔をしているといわれる。さまざまな仕事を経験したが、それだけは絶対にしなかったのに。ところが私は思い出した。十五歳のとき、私は娼婦だったのだ。売春宿のおかみは私の実母で、ただ一人のお客は彼女の情夫で、私の育ての父だった…。多感な少女の生き抜く力に圧倒される自伝的小説。

著者等紹介

内田春菊[ウチダシュンギク]
1959年長崎生まれ。ウェイトレス、クラブ歌手、ホステスなどを経て、84年に漫画家デビュー。性的な事柄を包み隠さず描く作風で、エッセイ、漫画エッセイを執筆、女性漫画家の新しい時代を拓く。93年発表の初めての小説『ファザーファッカー』が大ベストセラーとなり、漫画『私たちは繁殖している』と合わせて、Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。俳優、歌手でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hushi亜子

56
内田春菊さん自伝的小説。初版は1993年。その頃に話題になったのも覚えてるし、内容も何となくは知っていた。が、その頃の私には読もうと特に思わせるものは無かった。じゃあ何故今か、というのは親になったからだと思う。虐待という言葉がひどく蔓延してしまった今、すべての虐待に全く理解できず(当たり前だが)、意味がわからなくてムカムカしてしまう。中でも性的虐待ってもう全てにおいて意味わからず気持ち悪い。無理矢理というよりも、コントロール支配されてしまってる、守ってくれるべき人物が傍にいない、不幸すぎて言葉にならない2019/04/04

あつこんぐ

32
そんなに分厚い本ではないのに読んでは止めを繰り返し読了に時間がかかりました。自分よりも弱い者にしか強気になれない養父のようなオッサンいますね。自分の滑稽さがわかっていない、痛い人。そして、母親も腐ってますね。こんな家庭で育って犯罪とかに手を染めなかった春菊さんのタフさが凄いです。頭の良さが身を助けたんでしょうね。続編の母親目線の話も読んでみたいと思います。2019/03/26

...

12
こうゆう、叩きつけるような文学が読みたくて本読んでる。内容は最悪だけど、絶対に目を逸らしてはならない。あとがきに救われる笑2021/05/02

桜もち 太郎

9
凄まじい自伝的小説。中学生で妊娠しそれをきっかけで養父から性的虐待を受ける主人公。これってすべて実話なんですよね。あまりにも酷すぎて現実味がわかないの所もあるんだけれど・・・。養父の変質的な性格はとにかく不快感を通り越して気持ちが悪い。精神的に追い詰めそして暴力に性的虐待。常軌を逸した親というのはいつの時代にも存在するものだと憤りを感じた。2019/05/17

小豆姫

9
たんたんと綴られた文章の奥に、悲痛な叫びが溢れている。親を環境を子供は選べない。逃げ場もない。養父の暴力と凌辱に心を殺すことでしかやり過ごせなかったなんて。それでも、自分の足で生きてく一歩を踏み出すラストは透明な光に満ちてる。賢く強い人だ。新作の『ダンシング マザー』では、罪深き実母を描いているとのこと、読まねば。2018/12/08

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