出版社内容情報
旗本の若隠居、左文字小弥太は地獄宿の用心棒。深川を背景に底辺に生きる女達と竹光乍らべらぼう村正と恐れられる剣客の夢を描く
内容説明
隠し売女・お関の「どうせ地獄なら、鬼のいない地獄を作りたい」という言葉に惚れて、旗本の若隠居・左文字小弥太は地獄宿の用心棒となった…。天保改革後の江戸は深川、小名木川近くの十二軒長屋を舞台に、竹光ながら滅法強い“べらぼう村正”を振って売女たちの夢を守る新しいヒーロー・左文字小弥太の誕生!
目次
べらぼう村正
泣かぬお北
おばけ燈籠
六間堀しぐれ
舌だし三番叟
玉屋でござい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
9
傑作!イントロから引き込まれる。旗本の次男が家を飛び出し隠れ売女が生活する長屋の用心棒なのだが刀は売り払い今は竹光「べらぼう村正」。「人斬らばわれも死なねばなりませぬ。それがごめんと木脇差さす」。各話が上手で切ない。「おばけ燈篭」や「六間堀しぐれ」は秀逸!私の評価は満点です。2011/01/24
アーチャー
7
正直、時代小説はあまり読まないジャンルなんです。が、主人公の左門字小弥太は殿さまになりそこなって若くして隠居生活、腰の大小の刀は竹光だが腕は一流という設定が面白く、改めて都筑道夫氏のジャンルを問わないストーリーテラーぶりにハマりました。なかでも「泣かぬお北」「玉屋でござい」が私のお気に入りです。2011/12/29
goro@80.7
2
面白いねぇ~。底辺で生きる人々を見守る「べらぼう」の旦那。各話ともええ話やぁ~。続編も探そうっと!2012/01/24
つめ
1
小普請組貧乏旗本の当主が無理やり養子を迎えさせられて隠居して隠し売女宿の用心棒となる話っていうと、おじさんたちが好みそうな色っぽい筋みたいだけど、そうじゃなくて情の話で都筑さんらしいあっと驚く展開の面白くも良い物語だった。剣の腕は立つのに腰に差したるは竹篦べらぼう村正なんて剽軽でこれまた良い。2020/02/11
チンタロウ
0
人情もののようでいて一線引いてある。厳しいがそういうものか2007/11/01