内容説明
全世界の人びとが自分の未来をかいま見たら、なにが起こるのか?ヨーロッパ素粒子研究所の科学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。ところが、その実験は失敗におわり、そのうえ、世界じゅうの数十億の人びとの意識が数分間だけ21年後の未来にとんでしまった!人びとは、みずからが見た未来をもとに行動を起こすが、はたして未来は変更可能なのか…全米大ヒット・ドラマの原作長篇。
著者等紹介
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
催涙雨
54
さよならダイノサウルスを読んだときにも思ったのだが、理屈に囚われすぎて感情的に成熟していない登場人物が多い。むこうは作品として必然性を感じるものだったが、本作もそうなのかはちょっとわからない。まるで「未来は決定されていて現在に自由意志はない」というロイドの理論を実践するように脚本に沿って動く血の通っていない操り人形を見ているみたいで、それが意図的なのかは不明だがとにかく皮肉めいていた。テーマや作品内容そのものに関しては面白いのだが、脇を固める要素のことごとくと肌があわなくて悲しくなった。2019/05/19
拓也 ◆mOrYeBoQbw
29
SF長篇。『ターミナル・エクスペリエンス』『さよならダイノサウルス』と並ぶソウヤーの代表作でドラマ化もされてますね。基本はギリシア時代の『オイディプス王』、シェイクスピア『マクベス』からの”預言モノ”の系譜です。それにクライシスSFや当時最新の宇宙モデルや素粒子物理を加え非常にエンタメなSFに。ディックの『マイノリティ・レポート』がシンプルなのに対し、群像劇的な要素や、緻密な伏線やハードSF要素を楽しむならこちらがお勧めですね~(・ω・)ノシ2017/03/10
こんじろん
14
テレビドラマがすっごく面白かったのに、途中で打ち切りになってしまって悔しかったので原作を読んでみましたが・・・、全然違う話になってるじゃん(*_*)それにしても、この原作にいろいろくっつけてあんな面白いドラマを作るなんて、尊敬します。原作は宇宙に関する小難しい話が多くて、淡々と話が進んでなんとなく終わってしまった感じ。2013/09/30
ヘラジカ
12
ドラマ版を一話見て興味を持ったので読了。中学生の頃に読んだ作者の『さよならダイノサウルス』が割とライトで読みやすかったので期待していたが、こちらはなかなかハードなSFだった。正直言って苦手な部類。最後以外に活劇性があまりないので中盤はやや中だるみを感じて、ハードSF(SF慣れしてる方には全然ハードではないのかも)を読むときの苦痛を若干味わいながら読み終えることになった。ここの感想を読むにドラマ版もあまり出来がよろしくないみたいなので1話見ておしまいかな。2016/10/18
ゆき
8
★★★☆☆:ヒッグス粒子を発見するための実験が失敗し、その影響で全人類が二十一年後の未来を垣間見る。自分が殺されることを知るテオと最愛の婚約者とは別の女性との結婚生活を送っていることを知るロイド。二人の科学者を軸にすることでミステリ要素やラブロマンス要素を盛り込み飽きさせない展開になっている。特にテオを殺そうとしている人物の正体に驚き、スリリングな攻防には手に汗を握った。ドラマとは基本的な設定以外全く別の物語だが十分楽しめた。2016/06/16