悪魔の細菌―超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い

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悪魔の細菌―超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い

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  • サイズ B6判/ページ数 421p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120054037
  • NDC分類 491.7
  • Cコード C0047

出版社内容情報

か弱い細菌ごときの策略に引っかかるなんて、思ってもみなかった。


私は大陸を股にかけて殺人ウイルスを追跡し、AIDSに対する戦争を仕掛けてきた。ある時は戦いの最前線に立ち、ある時は世界規模での政策立案に携わる人々と議論のテーブルを囲みながら。そう、ウイルスは恐るべき存在だった。では、細菌は? 大した敵ではない。少なくとも、この細菌は恐れるに値しない相手のはずだった。


私は感染症を専門とする疫学者だ。アメリカの大きな大学で国際保健研究所の所長も務めている。他の誰でもなく私こそ、この細菌から自分の夫を守ることができてしかるべきだった。最後にこの細菌を見たのは、大学院に入る前の学部生時代のことだ。私たち学生は、研究室での初歩的な実験で、この細菌を気軽に扱っていた。いつの日か、この細菌の変異体がお前たちを死の淵に追いやり、お前はそのうち、殺し屋ウイルスの大群を注射して夫を救おうとする……。当時、誰かにそう言われていたら、私は相手の頭がおかしくなったのかと思っただろう。だが今、私たちはまさにその言葉通りの状況を迎えていた。              ――本書より

内容説明

ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性菌に感染した夫。絶望の中、妻は論文を読み漁り、忘れられた治療法を見つけ出す。スーパーバグを「食べる」ウイルスの大捜索が始まった!最大の致死性を持つ超多剤耐性菌「スーパーバグ」との格闘。

目次

第1部 死を呼ぶヒッチハイカー(不意打ち;脅しの空気 ほか)
第2部 「ESKAPE」からは逃げられない(帰宅;多剤耐性菌 ほか)
第3部 完璧な捕食者(毒をもって毒を制す;完璧な捕食者 ほか)
第4部 進化のダンス(ブラッドオレンジの木;真実の瞬間 ほか)

著者等紹介

ストラスディー,ステファニー[ストラスディー,ステファニー] [Strathdee,Steffanie]
ステファニー(ステフ)・ストラスディー。学士号、修士号、博士号をトロント大学で取得。カナダとアメリカの二重国籍を持ち、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部で国際保健科学部門の副部門長、ハロルド・サイモン寄付講座教授を務める他、革新的ファージ応用・治療学(IPATH)センターおよびUCSD国際保健研究所の共同所長、ジョンズ・ホプキンズ大学およびサイモン・フレーザー大学の非常勤講師を務める

パターソン,トーマス[パターソン,トーマス] [Patterson,Thomas]
トーマス(トム)・パターソン。教養学士号をサンディエゴ州立大学、修士号をジョージア大学、博士号をカリフォルニア大学リバーサイド校で取得。進化社会生物学者、実験心理学者。カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)精神医学科の特別教授であり、HIV陽性者とHIV感染および性感染症伝染の高リスク者への行動的介入の専門家。ストラスディーと、夫婦で研究チームを組み、『The Perfect Predator』は二人の初の共著書である

バーカー,テレサ・H.[バーカー,テレサH.] [Barker,Teresa H.]
キャリアジャーナリスト、書籍共著者。健康、子育て、子供の発達、スピリチュアリティ、創造性、加齢などの分野において多くの書籍を共著者として出版してきた

坪子理美[ツボコサトミ]
1986年栃木県生まれ。翻訳者。博士(理学)。東京大学理学部生物学科卒業、同大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程修了。東京大学ライフイノベーション・リーディング大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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R

44
何回もタイトルを読み返してしまうくらい、本当にこの夫は助かるのか?という壮絶な窮地が続くドキュメンタリでした。超多剤耐性菌というものが、危険だというのは聞いていたけども、実際に罹患した人の壮絶な戦いが余すことなく書き込まれていて、まさに筆舌に尽くしがたい。様々な幸運と、知恵と勇気、何よりもたくさんの人の助けがあっての救いを得た話だったけども、薬が効かない菌の恐ろしさが身に染みるようだった。ファージ療法というものが、はたして光明たりえるのか、安易に賛美しない点がよかった。2022/05/19

宇宙猫

28
★★ 耐性菌に感染し生死をさ迷う夫のために、治療法を探す易学者の闘病記。後半は発展しなかったファージ療法に着目し、友人たちの協力を得て治療にこぎつける。わずかな望みをかけた治療は実質研究のようだ。政府によるファージの使用許可や研究機関の協力などとても迅速。日本ならこうはできないんじゃないかな。内容は興味深いけど長すぎるのと、この話は以前に何かで読んで知っていたので途中から流し読み。この治療法が広がるといいと思うけど、カスタマイズ療法だから難しそうだな。2022/02/26

tom

21
夫婦でエジプト旅行に行く。夫は、胆石で苦しむ。そして、治療の過程でとんでもないバイ菌に取りつかれた。その名もアシネトバクター・バウマニ。どんな抗生物質も効かない超多剤耐性菌。夫は、あっという間に死の淵に。ここから始まる医療現場の悪戦苦闘。そして、妻が走り出して始まるマクロファージを使った治療。最後の逆転劇まで息を継がせぬ波乱万丈の戦い。この本を読みながら連想したのがSF「星系出雲の兵站」。この話の展開を異星人の襲来と人類の戦いに置き換えたら、面白いSF小説になりそう。それにしても恐ろしい話でした。2022/01/30

やっさん

20
書評より。アメリカの(初?)老夫婦が感謝祭の休暇でエジプト・ルクソールへ。そこで夫の体調は激変。最初は食あたりくらいに思っていたものが多剤耐性菌(スーパーバグ)による感染症であることが判明する。治療の舞台はルクソールからドイツ、そして母国へ。全ての抗生物質が効かなく、打つ手がなくなった時、忘れ去られた技術「ファージ療法」を見つけ出す…。多剤耐性菌こわ。そして敗血症こわ。人工透析になると厳しいのね。人工呼吸器をつけ、明日にも人工透析かといったところから蘇ったトム、スゴい。2023/09/24

Pustota

11
感染症というとついついウイルスの脅威に目がいきがちな今日この頃。しかし世界では抗生物質が効かない超多剤耐性菌が人々の命を脅かしているし、将来はさらに猛威を振るうかもしれない。これは超多剤耐性菌に、忘れられかけたバクテリオファージを利用した治療法で挑んだ記録。医学、あるいは科学が、枠組みから外れたものの可能性をいかに軽んじてしまうかを突きつける物語でもある。科学だって多様性が大事なのかもしれない。2021/06/15

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