内容説明
妾腹の少女たちが暮らす「鏡館」。左右対称の新旧の館に、48枚の姿見が配置されている。富豪の父は一年に一度訪れ、政略結婚のために娘を選び出す。政略結婚のために娘を選び出す。それは籠の鳥のわたしたちが自由になれる唯一の機会。今日はその大事な日なのに…。鏡に映るわたしの隣に、「死んだ姉」が現れる。鏡面に浮かぶ不吉な文字、新旧館の構造と姿見の謎、密室の逆トリック。そして殺人者は、鏡から出現した!
著者等紹介
月原渉[ツキハラワタル]
1978(昭和53)年神奈川県生れ。2010(平成22)年、『太陽が死んだ夜』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。個性的な作品を発表し続ける本格ミステリの新鋭。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
60
シリーズ4作目、今回は鏡の館。そこは妾腹の少女たちが暮らす館で富豪の父は一年に一度訪れ政略結婚のために娘を選び出す、それだけでも何かが起こりそうな予感。そして合わせ鏡のように対になった新館と旧館には同じ場所に姿見が置かれていて…あぁ~、やっぱり見取り図が欲しい。主以外は全員女性だったのでシズカの存在が際立って見えなかったのがこれまでと違った点かな。このシリーズは図面や登場人物一覧がないので読者が推理を楽しむ作品ではなく、不思議な館に住む主一家が起こす事件そのものを楽しむ作品だと思う。2021/02/02
キナコ
50
シリーズ第四段。後半にかけてのヒロインの立ち位置や、義姉妹の葛藤か悲しいストーリー。殺人事態はそこまでグロくはないが、互いが思いあっていたこと、一人一人の苦悩が伝わってくる作品。嵐のなかで起こるクローズドサークル。相変わらず探偵役の使用人シズカが颯爽としていてカッコいい。2023/07/18
あっちゃん
50
あの大御所の作家さんを思い起こさせる内容にちょっとビビる(笑)オマージュなの?と思いつつ最後のどんでん返しはなかなか!それにしても、相変わらずシズカちゃんまどろっこしいわ( ̄▽ ̄)2023/01/15
坂城 弥生
50
明治くらいだと普通に双子のでも畜生腹って言われた時代だよね?殺された当主は娘を道具としか思ってなかった。だから使い捨てたので恨まれた。そもそも本宅に入れない時点で憎まれても仕方ないと思う。まあ同情の余地はない。2020/11/26
momi
42
使用人探偵シズカシリーズ第4弾!鎌倉の奥地にある館が舞台です! この館に飾られている48枚の鏡…。鏡の中に住む少女…もうひとりの私の存在…。籠の中の鳥にされた五人の少女はどうなってしまうのか!?消えた死者の手鏡…鏡の宣告!?殺人犯が鏡の中から現れる!?この密室殺人事件…いろんな家庭を見てきたシズカだから解ける謎です!!相変わらずミステリアスな雰囲気の「シズカ」でした!!2020/08/19