内容説明
*本書は、非行のある少年や犯罪をした人を主人公とする「保護観察」という舞台の上で、更生に向けた筋書きのないドラマがいかにして展開されたのかということを、著者が接してきた数多くの事例に基づいて述べたものである。最前線で目の当たりにした情景や戦術などとともに、心理学や社会学の知見を生かした立ち直りの舞台裏や仮面を外した主人公の素顔に迫ることも試みられている。*保護観察における見立て、面接のコツから、犯罪傾向や属性から考察した立ち直りへの支援のあり方が述べられた読み物としても印象深い実践書となっている。
目次
第1章 少年非行の典型(少年非行の発生過程;排除と隔離のスパイラルからの脱出 ほか)
第2章 立ち直りに向けての関わり(見立てと手当て;基本的な姿勢 ほか)
第3章 犯罪傾向や属性から見る立ち直りの方向性(薬物犯罪;性犯罪 ほか)
第4章 犯罪のない明るい社会の実現(我が国の治安状況;海外から注目される独自の制度 ほか)
著者等紹介
長尾和哉[ナガオカズヤ]
昭和62年、法務省入省。全国各地の保護観察所のほか、法務省保護局、地方更生保護委員会、少年院などで勤務し、大津保護観察所長を経て、執筆時、岐阜保護観察所長。公認心理師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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J D
61
保護司が保護観察対象者から殺されるという痛ましい事件が起きて、実際の保護観察ってどんな感じなんだろう。民間のボランティアである保護司が犯罪者の立ち直りに関わるという日本独自の制度らしいが、昭和なら成り立つだろうが、隣は何をする人ぞと言われる時代をさらに超えた令和の時代には制度の根本的見直しが必要なのだろうと思った。想像以上に保護司、保護観察官は激務だな。第2章第2節「基本的な姿勢」犯罪非行のある人との面接、向き合い方はとても参考になった。学校特に中学生の教諭にこの節だけでも読んで欲しいと思った。2024/08/03
てくてく
6
保護司が対象者に寄り添い支援することの重要性を個々の非行・犯罪類型毎の事例紹介を通じて説明したもの。刑事政策や保護司の職務概要を知る入門書的な一冊。2021/09/27
epitaph3
1
【2021年ベスト】2021/02/09