出版社内容情報
老境を迎えた著者が、ふとした拍子に思い出す若き日の一シーンを、臨場感たっぷりに描いた自伝的連作小説「遠き地平」に、周囲から馬鹿にされていた一人の満州人が奇跡を起こす痛快な物語「劉広福」を併録。
内容説明
「遠い地平」は、老境を迎えた著者が、ふとした拍子に思い出す若き日の一シーンを、臨場感たっぷりに描いた自伝的連作小説。樺太で経験した“強制労働”、思想容疑者として満州に逃避行した話、満州での会社員生活、出征中に妻子が戦災で亡くなったことなど、いずれも味わい深い9篇の短編で構成されている。また、満州で働いた経験から書かれた「劉廣福」は、出征先の中国で芥川賞受賞の知らせを受けた秀作で、周囲から馬鹿にされていた一人の満州人が奇跡を起こす痛快な物語。
著者等紹介
八木義〓[ヤギヨシノリ]
1911年(明治44年)10月21日‐1999年(平成11年)11月9日、享年88。北海道出身。1944年に「劉廣福」で第19回芥川賞を受賞。代表作に『わたしのソーニャ』『風祭』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。