出版社内容情報
祖父は、第二次世界大戦時、日系アメリカ人部隊の兵士だった
――。散骨のために、ハワイに現れた若い女性マナ。彼女の祖父は442部隊に所属し、戦死したと思われていた…。戦後70年、渾身の書き下ろし長編。
内容説明
祖父は、第二次世界大戦時、日系アメリカ人部隊の兵士だった―。散骨のためにハワイに現れた若い女性。彼女の祖父は442部隊に所属し、欧州で戦死したものと思われていた…。苛烈な戦争と人間たち。戦後70年に向けて放つ、渾身の書き下ろし長編。
著者等紹介
辻仁成[ツジヒトナリ]
東京都生まれ。1989年、「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家・詩人・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。1997年、「海峡の光」で第116回芥川賞、1999年、『白仏』の仏訳版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chichichi
69
最近、雰囲気変わってテレビ等で露出が多くなった辻仁成さん、あまり得意ではないと分かりつつも図書館で目に止まり手に取りました。日系アメリカ人の方達目線の第二次世界大戦と、その子孫の現代のお話。過去と現在が入り組んでスピリチュアル感満載で語られる感じに戸惑いもありますが下巻へ進んでみます。。2015/08/10
なゆ
63
想像していた以上に壮大で充実感味わえる本だった。第二次世界大戦でアメリカ兵として戦った日系人の孫たち、ケインとマナがハワイで出会い、戦死していたはずの祖父がフランス人として生きていた謎を解き明かす。同時に、マナの恋人がハワイで失踪してしまった謎にも。過去と現在、昨日と明日、東京とハワイ、日付変更線がいろんなことの境界線を意味する。なによりも、戦争に巻き込まれた複雑な立場の日系二世達の大変さがひしひしと伝わってきた。純粋で繊細なニックの心が、この先どうなってしまうのか心配だ。2015/11/11
starbro
49
辻仁成の新作は結構読んでいます。ハワイを舞台にしたミステリアスでスピリチュアルなラブ・ストーリーに第二次世界大戦や東日本大震災も絡んできて、辻仁成作品マイ・ベストの予感がします。中山美穂と離婚して吹っ切れたのかも知れません。トータルの感想は下巻読了後に。2015/08/04
ちゃんみー
45
日系二世三世がアメリカ人として戦争に赴き自分は何者なのかを問うた(と思ってる)真保裕一さんの『栄光なき凱旋』。それと被る部分もありますが、こちらは今と昔の愛の物語でしょうか。過去、今、未来という時間軸。ハワイと日本の日付変更線をまたぐ過去未来。辻仁成さんらしいお話です。そして下巻へ。2015/08/14
ころりんぱ
44
真珠湾攻撃を挟んだ昨日と明日。時代に翻弄されたハワイ在住の日系二世たちと、その子孫の主人公たち。過去と現代を行き来しながら進む物語ですが、愛の話でもありスピリチュアルな話でもあり、とても贅沢な本だという印象を受けました。文章がとても綺麗でこんな風に戦争を描くこともできるんだなと、新鮮です。特に真珠湾攻撃があった時の日系人たちの混乱と、二世たちの祖国アメリカへの思いはとても詳しく描かれていると思います。上巻が終わり、それでもまだ半分。過去の話の行方も現代に起きている事件の真相もとても気になります。2015/08/04
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