内容説明
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
著者等紹介
乾くるみ[イヌイクルミ]
1963年、静岡県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業。98年『Jの神話』で第4回メフィスト賞を受賞して作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
2224
なんかもう狐と狸の化かし合い。でもそうなんですこれが現実。誰がマユを責められようか。彼女は保険をかけただけだもの。でもどちらのたっくんかと言えば若い頃の私は間違いなく前半のたっくん。後半のたっくんが今の私かも知れない。そしてこんなカラクリを許せるのも年をとりすぎたからか。嗚呼汚れてしまった私。イニシエーション・ラヴ、ほんとに上手いタイトルです。だから尚更前半のくすぐったさには感極まりました。でもね、どちらも鈴木でたっくんにしたのはまして年齢も近いなんてさ。ずるいよ乾くるみ(笑)2015/02/03
HIRO1970
1924
⭐️⭐️⭐️⭐️乾さんはお初です。恋愛物ですが登録数が非常に多いので気になって手に取りました。目次で章ごとの題名を見てオヤジギャグ満載なので先ず驚きました。思わず表紙裏の著者の生年を確認してしまいました。(小生より7歳先輩でした。)本書は私の大学入学の前年87年に就職している設定なのでほぼ著者の年代の話だと思います。静岡(清水)が舞台の話なのも親戚がいる為、ある程度土地勘があるのですんなりと理解出来ました。私は携帯やパソコンが無い当時の恋愛を思い出し懐かしく思いましたが、今の若い人達はこれ面白いのかな?2016/03/16
遥かなる想い
1619
最後の二行の秘密が読み取れずに、ネタばれサイトで納得。それにしても、ひどく胸に痛い展開だった。「イニシエーション」…通過儀礼という言葉が 心をえぐる。 大学の合コンで始まる恋と 裏で進む二股の恋… このありきたりの展開が、 繭のしたたかさが、逆に 心に痛いのはなぜなのだろう。各章のタイトルがヒット 曲なのが何故か可笑く、読んでいてひどく懐かしい気持ちにさせてくれるのが 素直に嬉しい。そう言えば、こんな時間は 誰にでもあった…最後の繭の電話により明かされる 真実はある意味、哀しい…そんな気がする物語だった。2015/08/23
ehirano1
1349
何々「最後から2行目が驚愕の叙述トリック」だと、これは面白い!よぉーし、不自然な箇所は片っ端からチェックして叙述トリックに打ち勝ったる、と意気込んだら最後の2行目で走馬灯が見えました(泣)。2020/07/11
抹茶モナカ
1221
最後の2行で、全く違う物語が立ち上がる・・・という謳い文句で有名だったので、いろいろ注意しながら読みました。結果、巻末の解説とネタバレサイトを読んで、「おお。」という感じで、オチを読んでも最初は、意味がわからなかったのです。でも、なんか、自分の恋愛について、読み進めるうちに思いが行きました。『イニシエーション・ラブ』って、ありますよね。単純に、そこで切なくなったかなぁ。理解したけど、再読したくはならなかった。有名な本なので、ネタバレサイトがあって、それで、十分です。2015/05/26