出版社内容情報
鮫島 浩[サメジマ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
「池上コラム掲載拒否」「吉田調書問題」「慰安婦記事取り消し」政治部出身の経営陣はどこで何を間違えたのか?すべて実名で綴る内部告発ノンフィクション。
目次
第1章 新聞記者とは?―1994‐1998
第2章 政治部で見た権力の裏側―1999‐2004
第3章 調査報道への挑戦―2005‐2007
第4章 政権交代と東日本大震災―2008‐2011
第5章 躍進する特別報道部―2012‐2013
第6章 「吉田調書」で間違えたこと―2014
第7章 終わりのはじまり―2015‐
著者等紹介
鮫島浩[サメジマヒロシ]
ジャーナリスト。1971年生まれ。京都大学法学部の佐藤幸治ゼミで憲法を学ぶ。1994年に朝日新聞社入社。つくば、水戸、浦和の各支局を経て、1999年から政治部。菅直人、竹中平蔵、古賀誠、与謝野馨、町村信孝ら与野党政治家を幅広く担当し、2010年に39歳で政治部次長(デスク)に。2012年に調査報道に専従する特別報道部デスクとなり、翌年「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。2014年に福島原発事故を巡る「吉田調書」報道で解任される。2021年に退社してウェブメディア「SAMEJIMA TIMES」を創刊し、連日記事を無料公開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
158
今年4月段階で全国紙5紙は1年間に114万部減った。特に朝日は44万部減で500万の大台を割り込み、もはや回復不能の重病人だ。そんな朝日が世論をリードしていた時代は光り輝いていたが、過去の栄光にあぐらをかいた高いプライドは傲慢さに変質していた。大誤報をやらかしても上層部は原因究明など気にもかけず、自分の名誉を守るため事件を利用するほど官僚化した現状をさらけ出している。そんな上から目線のご高説を垂れ流す新聞に、ネット時代の消費者は容赦しない。「昔、朝日という新聞があったな」とされる日は、確実に近づいている。2022/07/04
trazom
136
中島岳志先生が「生きたジャーナリズム論」とPRしておられる話題の一冊だが、私には、ジャーナリズム論というより、朝日新聞社の体質に対する内幕本であり、サラリーマンが好きな社内人事の評論本であり、自らの業績を誇示する自伝として読めてしまう。確かに、発行部数が急落し、旧来的な取材プロセスが崩壊する新聞メディアの問題点はよくわかるし、それに対する著者の危機感も理解できるが、公憤以上に私憤が卓越していて、余り心地よい読後感ではない。ただ、この著書の文章の上手さは曲者。描写に臨場感があり、一気に面白く読めてしまう。2022/08/07
まーくん
136
元朝日新聞政治部記者による内幕もの。総理や官房長官の記者会見などで質問する姿や政治家を取り囲んで、ぶら下がり取材する姿で見かけるが、あまりにも違う世界の事ゆえ、よく実態がわからなかったが、遠慮したい粘着質な世界のようだ。著者は紆余曲折ありながらも、エリート記者の道を進むが、吉田調書(福島第一原発吉田昌郎所長)誤報問題に巻き込まれ、記者の道を絶たれ、6年半後49歳で退職・独立。さすが新聞記者、大新聞社の社内セクショナリズムとの戦いを記す文章は読み易く、半沢直樹の小説のようで惹きこまれ、不謹慎ながら面白い。2022/08/01
R
96
自身の新聞記者としての過去を描いた、ノンフィクション的な本でした。政治記者としての仕事、実際にあったこと、どのように政治家と付き合うかという新聞人としての在り方なんていうのが、知らない世界の話だから面白い。企画者としてもいくつか仕事をなしていたようなのだけども、昭和の名残ある新聞人として政治家との付き合い方、そこから見えた、政治家の姿という話が面白い。なるほどと思う関係だが、構造的に歪んでるなと感じる。お互いの利用が社会利益とは異なるところに着地してるんじゃと疑ってしまうが、人間臭いともいえる。2022/08/06
TakaUP48
92
福島原発の「吉田調書」、慰安婦報道「吉田証言」、社長の一声で掲載不可「池上コラム」の3点セットの危機管理対応の失敗は、経営陣の保身からか。リベラルの雄として走り続けてきたプライドが邪魔したのか。中途半端に賢い人は、素直に謝らず、言い訳か逃げを考える。他人を責め続ける人間は、自分の護り方がわからない。朝日新聞の政治部内の動向と、社内の権力争いや「おともだち人事」が実名で語られていて、面白い。栄光と滅びゆく日々が、生々しい。新聞も「権力」であることを踏まえての報道姿勢が、最近は幼稚だ。何処へ行くのか、朝日!2022/08/20
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