出版社内容情報
戦後精神史とは何か.日本近代史において戦後精神はいかに位置づけられるか.戦中の「近代の超克」論,1960年代の近代化論,そして近年のポストモダン論を射程に収めつつ,政治,文学,哲学から大衆文化,社会運動に至る局面で戦後日本を総括する.シカゴ大学を中心に活躍する日本研究者たちの積極的な参加を得て初めて可能になった日米共同研究.
内容説明
日本近代史のなかに「戦後日本の精神」はいかに位置付けられるか。戦後の経験を日本人だけのものとせず、内の眼と外の眼を交錯させることによって戦後精神の普遍的意味に迫ろうする。八〇年代米国の日本研究の目覚ましい達成を含む。
目次
第1部 戦後精神史の基本構図(戦後日本における社会科学と人間的挑戦;現代日本の精神構造 ほか)
第2部 戦後思想をめぐって(戦後思想の見取り図;廃墟に立つ理性―戦後合理性論争における和辻哲郎の位相 ほか)
第3部 戦後文学を読み直す(戦後文学から今日の窮境まで―それを経験してきた者として;一九七〇年の文学状況―古井由吉『円陣を組む女たち』をめぐって ほか)
第4部 社会と文化の変容(戦後と「近代後」―二〇世紀後半の歴史学;戦後日本の国際的な歴史―再評価の試み ほか)
著者等紹介
ナジタ,テツオ[ナジタ,テツオ][Najita,Tetsuo]
1936年生。シカゴ大学教授。近代日本政治史・政治思想史
前田愛[マエダアイ]
1932‐87年。元立教大学教授。近世・近代文学
神島二郎[カミシマジロウ]
1918年生。立教大学名誉教授、立正大学教授。日本政治思想史
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